ASCVD合併2型DMのCVアウトカム、チルゼパチドvs.デュラグルチド/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/09

 

 2型糖尿病とアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する患者の治療において、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合エンドポイントに関し、チルゼパチドのデュラグルチドに対する非劣性が認められた。オーストラリア・Monash UniversityのStephen J. Nicholls氏らSURPASS-CVOT Investigatorsが、30ヵ国640施設で実施した無作為化二重盲検実薬対照非劣性試験の結果を報告した。チルゼパチドはGLP-1受容体およびGIP受容体のデュアルアゴニストで、血糖コントロールと体重において好ましい効果をもたらすが、心血管アウトカムへの影響は不明であった。NEJM誌2025年12月18・25日号掲載の報告。

主要エンドポイントは、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合

 研究グループは、40歳以上、HbA1c値7.0~10.5%、BMI値25以上で、ASCVDを有する2型糖尿病患者を、チルゼパチド群(2.5mgから開始、4週ごとに増量し最大用量15mg)、またはデュラグルチド群(1.5mg)に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ週1回皮下投与した。

 主要エンドポイントは、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合であった。チルゼパチドのデュラグルチドに対する非劣性マージンは95.3%信頼区間(CI)の上限が1.05未満とし、上限が1.00未満の場合はチルゼパチドのデュラグルチドに対する優越性を検証するとした。

ハザード比は0.92、チルゼパチドのデュラグルチドに対する非劣性を確認

 2020年5月29日~2022年6月27日に1万3,299例が無作為化された。その後に適格基準を満たさないことが判明した134例を除外し、1万3,165例(チルゼパチド群6,586例、デュラグルチド群6,579例)を修正ITT集団として有効性の解析を行った。

 患者背景は、年齢64.1±8.8歳、女性29.0%、HbA1c値8.4±0.9%、BMI値32.6±5.5、糖尿病罹病期間14.7±8.8年であった。

 追跡期間中央値4.0年において、主要エンドポイントのイベントはチルゼパチド群で801例(12.2%)、デュラグルチド群で862例(13.1%)に発生した。心血管死、心筋梗塞または脳卒中のハザード比は0.92(95.3%CI:0.83~1.01)であり、チルゼパチドのデュラグルチドに対する非劣性が示された(非劣性のp=0.003、優越性のp=0.09)。

 有害事象の発現割合は両群で同程度であったが、消化器系の有害事象はチルゼパチド群(42.5%)がデュラグルチド群(35.9%)より多かった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)