中高年ハイリスク2型DMにデュラグルチドが有用/Lancet

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中高年ハイリスク2型DMにデュラグルチドが有用/Lancetのイメージ

 心血管疾患の既往または心血管リスク因子を有する2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおいて、デュラグルチド(商品名:トルリシティ)皮下注は有用なマネジメントの方法となりうることが、カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らが実施した「REWIND試験」で示された。研究の詳細はLancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。デュラグルチドは多くの国で、2型糖尿病患者の高血糖のマネジメントに資するとして承認を得ている、長時間作用型のGLP-1受容体作動薬であり、心血管疾患の既往のある患者において、心血管アウトカムの改善効果が報告されている。

50歳以上の心血管リスク因子を持つ患者が対象
 本研究は、血糖コントロールの状態がさまざまな2型糖尿病患者において、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチド追加による主要有害心血管イベント(MACE)への影響を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験である(Eli Lilly and Companyの助成による)。

 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。

 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとにフォローアップし、心血管および他の重篤な臨床アウトカムの評価が行われた。

 主要評価項目は、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死の複合エンドポイントの新規発症とした。

HbA1c、体重、収縮期血圧、心拍数の改善効果も良好
 2011年8月~2013年8月の期間に、24ヵ国371施設で9,901例(平均年齢66.2[SD 6.5]歳、女性4,589例[46.3%]、HbA1c中央値7.2%[IQR:6.6~8.1])が登録され、デュラグルチド群に4,949例、プラセボ群には4,952例が割り付けられた。

 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点で、主要複合エンドポイントは、デュラグルチド群は594例(12.0%、2.4件/100人年)で認められ、プラセボ群の663例(13.4%、2.7件/100人年)に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.79~0.99、p=0.026)。

 非致死的脳卒中(HR:0.76、95%CI:0.61~0.95、p=0.017)はデュラグルチド群で有意に少なかったが、心血管死(0.91、0.78~1.06、p=0.21)と非致死的心筋梗塞(0.96、0.79~1.16、p=0.65)は、両群間に差はみられなかった。また、全死因死亡にも、両群間に差はなかった(デュラグルチド群536例[10.8%] vs.プラセボ群592例[12.0%]、HR:0.90、95%CI:0.80~1.01、p=0.067)。

 フォローアップ期間中に、ベースラインとの差が、プラセボ群よりもデュラグルチド群で優れた評価項目として、HbA1c(最小二乗平均[LSM]が0.61%低い、p<0.0001)、体重(同1.46kg低い、p<0.0001)、BMI(同0.53低い、p<0.0001)、収縮期血圧(同1.70mmHg低い、p<0.0001)、平均動脈圧(同0.49mmHg[95%CI:0.25~0.73]低い)、脈圧(同1.82mmHg[1.53~2.12]小さい)、心拍数(同1.87拍/分高い、p<0.0001)、総コレステロール(同0.07mmol/L[0.03~0.10]低い)、LDLコレステロール(同0.05mmol/L[0.02~0.08]低い)などが挙げられた。

 事前に規定されたとくに注目すべき有害事象(重篤な消化器イベント、重症低血糖、がん、膵炎)や、重篤な有害事象の頻度は、両群間に差はなかった。一方、フォローアップ期間中に、消化器有害事象がデュラグルチド群の2,347例(47.4%)で報告され、プラセボ群の1,687例(34.1%)と比較して有意に多かった(p<0.0001)。

 著者は、「これらの結果により、心血管リスク因子を有する糖尿病患者のマネジメントにデュラグルチドを加えることにより、血糖値が低下し、低血糖の発生は最小化し、減量と血圧降下をもたらし、心血管イベントを抑制する可能性があることが示唆される」としている。

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(医学ライター 菅野 守)

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