転移ホルモン感受性前立腺がん、標準治療+エンザルタミドが有効/NEJM

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 新規アンドロゲン受容体標的薬エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)は、転移を伴うホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)患者において、標準治療と比較し無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に延長した。ただし、エンザルタミド群では、とくに初期にドセタキセルの治療を受けた患者において、痙攣発作や他の有害事象が多くみられた。オーストラリア・モナッシュ大学のIan D. Davis氏らが、mHSPCの1次治療としてテストステロン抑制±ドセタキセルへのエンザルタミド併用の有効性および安全性を検証した、無作為化非盲検第III相試験「Enzalutamide in First Line Androgen Deprivation Therapy for Metastatic Prostate Cancer trial:ENZAMET試験」の結果を報告した。エンザルタミドは、去勢抵抗性前立腺がん患者のOSを改善することが示唆されていたが、ドセタキセルの有無にかかわらずテストステロン抑制とエンザルタミドとの併用がmHSPC患者のOSを改善するかは不明であった。NEJM誌オンライン版2019年6月2日号掲載の報告。

mHSPC患者1,125例で、標準治療±エンザルタミド併用の有効性を評価
 研究グループは、2014年3月~2017年3月の期間で、mHSPC患者1,125例を、テストステロン抑制+エンザルタミド(エンザルタミド群)または非ステロイド性抗アンドロゲン療法(標準治療群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目はOS、副次評価項目は前立腺特異抗原(PSA)値によるPFS、臨床的なPFS、有害事象などであった。Kaplan-Meier法、非調整log-rank検定、Cox比例ハザードモデルなどを用いて解析した。

エンザルタミド併用でOSとPFSが有意に延長
 追跡期間中央値34ヵ月において、死亡はエンザルタミド群102例、標準治療群143例であった(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.52~0.86、p=0.002)。Kaplan-Meier法による3年OS率は、エンザルタミド群で80%(94例)、標準治療群で72%(130例)であった。

 PSA-PFS(イベント数174例 vs.333例、HR:0.39、p<0.001)および臨床的PFS(167例 vs.320例、HR:0.40、p<0.001)も同様に、エンザルタミド群で良好な結果が得られた。

 有害事象による治療中断は、エンザルタミド群が標準治療群よりも多かった(それぞれ33例および14例)。倦怠感はエンザルタミド群が多く、痙攣発作はエンザルタミド群で7例(1%)確認され、標準治療群では確認されなかった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 宮嶋 哲( みやじま あきら ) 氏

東海大学医学部外科学系泌尿器科学 主任教授

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