SGLT1/2阻害薬sotagliflozin、1型糖尿病の転帰改善/BMJ

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 sotagliflozinは、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)1とSGLT2を、ともに阻害する経口薬。イタリア・Humanitas University Gradenigo HospitalのGiovanni Musso氏らは、1型糖尿病患者において、この新規SGLT1/2阻害薬のメタ解析を行い、血糖値および非血糖値関連のアウトカムの改善をもたらし、低血糖や重症低血糖の発現を抑制することを明らかにした。研究の成果は、BMJ誌2019年4月9日号に掲載された。1型糖尿病患者では、血糖目標値(HbA1c<7%)の達成率は30%にすぎず、インスリンによる低血糖や体重増加がみられ、とくに重症低血糖は至適な血糖コントロールを妨げる主要な因子とされる。sotagliflozinは、グルコースの腸管吸収だけでなく腎臓での再吸収を阻害する。この作用機序により、食後の血糖変動が抑制され、最終的にボーラスインスリン追加の補正の必要性や、低血糖リスクを低下させる可能性があるという。

6つの無作為化プラセボ対照比較試験の参加者3,238例の解析
 研究グループは、1型糖尿病に対するsotagliflozinの無作為化対照比較試験のメタ解析を行った(研究助成は受けていない)。

 医学データベース、国際学会抄録、海外および国内の臨床試験、米国・欧州・日本の規制当局ウェブサイトなどを検索して、2019年1月10日までに公表された論文を選出した。年齢18歳以上の1型糖尿病患者を対象に、実薬またはプラセボ対照でのsotagliflozinの効果を評価した無作為化対照比較試験を解析に含めた。

 3人のレビュアーが、試験参加者の背景因子、関心アウトカム、バイアスのリスクのデータを抽出した。主要アウトカムは、変量効果モデルを用いて統合した。

 6つの無作為化プラセボ対照比較試験(3,238例、試験期間4~52週)が解析の対象となった。

主な有害事象はケトアシドーシス、リスク最小化は可能
 sotagliflozinはプラセボに比べ、HbA1c(加重平均の差:-0.34%、95%信頼区間[CI]:-0.41~-0.27、p<0.001)、空腹時血糖値(-16.98mg/dL、-22.1~-11.9[1mg/dL=0.0555mmol/L])、食後2時間血糖値(-39.2mg/dL、-50.4~-28.1)を有意に低下させ、1日の総インスリン量(-8.99%、-10.93~-7.05)、基礎インスリン量(-8.03%、-10.14~-5.93)、追加インスリン量(-9.14%、-12.17~-6.12)をいずれも有意に低下させた。

 また、sotagliflozinにより、目標血糖範囲内時間の割合(加重平均の差:9.73%、95%CI:6.66~12.81)や他の持続血糖モニタリングのパラメータが改善し、非血糖値関連アウトカムでは体重(-3.54%、-3.98~-3.09)、収縮期血圧(-3.85mmHg、-4.76~-2.93)、アルブミン尿(アルブミン/クレアチニン比:-14.57mg/g、-26.87~-2.28)が低下した。さらに、低血糖(加重平均の差:-9.09イベント/人年、95%CI:-13.82~-4.36)の発生が抑制され、重症低血糖(相対リスク[RR]:0.69、95%CI:0.49~0.98)のリスクも低下した。

 一方、ケトアシドーシス(RR:3.93、95%CI:1.94~7.96)、生殖器感染症(3.12、2.14~4.54)、下痢(1.50、1.08~2.10)、体液量減少イベント(2.19、1.10~4.36)のリスクが増加したが、尿路感染症(0.97、0.71~1.33)のリスクは増加しなかった。初回HbA1c値と基礎インスリン量の調整が、糖尿病性ケトアシドーシスのリスクと関連した。また、用量については、400mg/日は200mg/日に比べ、血糖値関連および非血糖値関連のほとんどのアウトカムをより改善し、有害事象のリスクは増加しなかった。

 エビデンスの質は、ほとんどのアウトカムに関して高~中程度であったが、主要有害心血管イベントおよび全死因死亡に関しては低かった。また、相対的に短期間の試験が、長期アウトカムの評価の妨げとなっていた。

 著者は、「主な有害事象は糖尿病性ケトアシドーシスであったが、そのリスクは適切な患者選択および基礎インスリン量を漸減することで最小化が可能と考えられる」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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1型糖尿病治療におけるSGLT1/2阻害薬sotagliflozinの可能性(解説:住谷哲氏)-1061

コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

センター長

J-CLEAR評議員

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