肥満の2型糖尿病に、デュアルアゴニストが有効/Lancet

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肥満の2型糖尿病に、デュアルアゴニストが有効/Lancetのイメージ

 開発中の糖尿病治療薬MEDI0382は、過体重・肥満の2型糖尿病患者に、臨床的に意味のある血糖値の低下と体重減少をもたらすことが、英国・MedImmune社のPhilip Ambery氏らの検討で示された。過体重・肥満の2型糖尿病患者の管理では、減量が重要となるが、臨床的に意味のある体重減少を達成した糖尿病治療薬は少ない。MEDI0382は、GLP-1とグルカゴン受容体のデュアルアゴニストであり、2型糖尿病と肥満の治療薬として開発が進められている。Lancet誌オンライン版2018年6月22日号掲載の報告。

ドイツで行われた複数用量漸増と第IIa相の統合試験
 本研究は、ドイツの11施設が参加した複数用量漸増(MAD)試験と第IIa相試験を統合した二重盲検プラセボ対照無作為化試験である(MedImmune社の助成による)。対象は、年齢18~65歳、2型糖尿病がコントロールされ(スクリーニング時のHbA1c:6.5~8.5%)、BMIが27~40の患者であった。

 被験者は、MEDI0382またはプラセボを投与する群にランダムに割り付けられた。MAD試験ではコホートA~Cは2対1、コホートDとEは3対1の割合で、第IIa相試験では1対1の割合で割り付けられた。また、MAD試験の5つのコホートでは最大300μgを最長22日間まで、第IIa相試験では最大200μgを最長41日間まで、1日1回皮下注射された。

 第IIa相試験の主要エンドポイントは、1)混合食負荷試験(MMTT)後0~4時間血糖値の曲線下面積(AUC0-4h)と、2)ITT集団における体重の、ベースラインから41日目までの変化とした。安全性の解析は、試験薬の投与を受けた全患者で行った。

 2015年12月9日~2017年2月24日の間に、MAD試験に61例(MEDI0382群:42例、プラセボ群:19例)、第IIa相試験には51例(25例、26例)が登録された。第IIa相試験では、MEDI0382群の3例、プラセボ群の1例が、有害事象により治療を中止し、それぞれ22例(88%)、25例(96%)が少なくとも1回の投与を受け、ベースラインと41日目の評価を受けた。

長期投与で疾患修飾療法となる可能性も
 ベースラインの人口統計学的因子および背景因子は、MAD試験の各コホートと第IIa試験で、全般によくバランスが取れていた。

 第IIa試験におけるMMTT後の血糖値AUC0-4hは、MEDI0382群がプラセボ群に比べ有意に低下した(最小二乗平均値:-32.78%[90%信頼区間[CI]:-36.98~-28.57] vs.-10.16%[-14.10~-6.21]、平均差:-22.62%[-28.40~-16.85]、p<0.0001)。

 ITT集団における体重も、MEDI0382群がプラセボ群に比し有意に減少した(最小二乗平均値:-3.84kg[90%CI:-4.55~-3.12] vs.-1.70kg[-2.40~-1.01]、平均差:-2.14kg[-3.13~-1.31]、p=0.0008)。

 空腹時血糖値も、MEDI0382群がプラセボ群と比較して有意に低下した(最小二乗平均値:-2.8mmol/L[90%CI:-3.2~-2.4] vs.-1.1mmol/L[-1.4~-0.7]、p<0.0001)。また、ITT集団におけるHbA1cは、MEDI0382群ではベースラインの7.2%から治療終了時には6.3%に低下したが(最小二乗平均値:-0.9%[90%CI:-1.0~-0.8]、プラセボ群(-0.6%[-0.7~-0.5])に比べ有意に良好だった(p=0.0004)。

 さらに、肝脂肪もMEDI0382群がプラセボ群よりも有意に低下した(最小二乗平均値:-6.0%[90%CI:-7.7~-4.3] vs.-3.2%[-4.7~-1.7]、p=0.0172)。

 治療関連有害事象の割合は、MEDI0382群が88%(22/25例)、プラセボ群も88%(23/26例)であった。MEDI0382群で頻度の高い有害事象として、悪心・嘔吐を主とする消化器障害(72 vs.40%)と食欲減退(20 vs.0%)が認められた。

 著者は、「MEDI0382は、比較的短期間の投与で2型糖尿病の代謝に有意なベネフィットをもたらした。血糖コントロール、体重、肝脂肪に対する効果は、本薬の長期投与が2型糖尿病の疾患修飾療法となる可能性を示唆する」と指摘している。

(医学ライター 菅野 守)

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コメンテーター : 吉岡 成人( よしおか なりひと ) 氏

NTT東日本札幌病院 院長

J-CLEAR評議員

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