SGLT1/2阻害薬は1型糖尿病治療に有用か/NEJM

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 インスリン療法中の1型糖尿病患者において、経口ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)1/2阻害薬sotagliflozinを投与した群ではプラセボ群と比較し、重症低血糖または糖尿病性ケトアシドーシスを発症することなくHbA1c 7.0%未満を達成した患者の割合が高率であった。ただし、糖尿病性ケトアシドーシス発症率のみをみるとsotagliflozin群で高率であった。米国・コロラド大学デンバー校のSatish K. Garg氏らが、19ヵ国133施設にて、インスリン療法へのsotagliflozin上乗せの安全性と有効性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「inTandem3」の結果を報告した。1型糖尿病患者の多くは、インスリン療法のみでは十分な血糖コントロールは得られない。しかし、これまでに1型糖尿病に対してインスリン療法との併用が認められた経口薬はなかった。NEJM誌オンライン版2017年9月13日号掲載の報告。

約1,400例で、インスリン単体 vs.インスリン+sotagliflozinを検討
 研究グループは、インスリン療法(ポンプまたは注射)を受けている1型糖尿病患者1,402例(HbA1c:7.0~11.0%)を、sotagliflozin(400mg/日)またはプラセボを併用する群に1対1の割合で無作為に割り付け、24週間投与した。

 主要エンドポイントは、無作為化後24週時における、重症低血糖または糖尿病性ケトアシドーシスの発症を伴わずHbA1c 7.0%未満を達成した患者の割合。副次エンドポイントは、HbA1c、体重、収縮期血圧、インスリン投与量のベースラインからの変化であった。

血糖コントロール改善、sotagliflozin群がプラセボ群の約2倍
 主要エンドポイントの達成率は、sotagliflozin群(28.6%[200/699例])がプラセボ群(15.2%[107/703例])より有意に高かった(p<0.001)。また、副次エンドポイントのベースラインからの変化(最小二乗平均値)も、sotagliflozin群がプラセボ群より有意に大きかった。それぞれの群間差は、HbA1cが-0.46%、体重-2.98kg、収縮期血圧-3.5mmHg、インスリン平均1日ボーラス投与量-2.8単位/日であった(いずれもp≦0.002)。

 重症低血糖の発現頻度は、sotagliflozin群とプラセボ群で類似していた(それぞれ3.0%[21例] vs.2.4%[17例])。また、血糖値55mg/dL(3.1mmol/L)以下の低血糖の発現頻度は、sotagliflozin群がプラセボ群より有意に低かった。一方、糖尿病性ケトアシドーシスの発現頻度は、sotagliflozin群がプラセボ群より高率であった(3.0%[21例]vs.0.6%[4例])。

 なお著者は研究の限界として、長期的な有効性は評価できていないことや持続血糖測定値は解析していないことなどを挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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SGLT2阻害薬と1型糖尿病治療(解説:住谷哲氏)-760

コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

公益財団法人日本生命済生会日本生命病院 糖尿病・内分泌センター

センター長

J-CLEAR評議員

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