生殖細胞系列BRCA1/2病的バリアントを有する40歳以下のHER2陰性(HER2-)早期乳がん患者において、周術期化学療法のレジメン間で生存アウトカムに統計学的な有意差はみられないことが、国際多施設共同後ろ向きコホート研究(BRCA BCY Collaboration研究)の結果で示された。イスラエル・Sheba Medical CenterのRinat Bernstein-Molho氏らが、European Journal of Cancer誌オンライン版2026年8月11日号に報告した。
本研究では、2000~2020年にStageI~IIIのHER2-乳がんと診断された40歳以下のBRCA1/2病的バリアント保持者を対象に、アントラサイクリン+タキサン系、アントラサイクリン系(タキサンなし)、非アントラサイクリン系の各術前/術後化学療法による無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を評価した。また、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)においてはプラチナ製剤の使用とアウトカムとの関連も評価した。
主な結果は以下のとおり。
・109施設から4,200例が解析対象となり、うち58.7%がTNBCであった。
・追跡期間中央値は8.1年(四分位範囲:4.7~12.6年)であった。
・使用された化学療法レジメンの割合は、アントラサイクリン+タキサン系が74.4%、アントラサイクリン系(タキサンなし)が19.3%、非アントラサイクリン系が6.3%であった。また、TNBCでは19.8%でプラチナ製剤が投与されていた。
・多変量調整後、アントラサイクリン系(タキサンなし)とアントラサイクリン+タキサン系との間で、DFS(調整ハザード比[aHR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.73~1.05)およびOS(aHR:1.20、95%CI:0.87~1.67)に有意差は認められなかった。
・同様に、アントラサイクリン系(タキサンなし)と非アントラサイクリン系の比較においても、DFS(aHR:1.07、95%CI:0.82~1.38)およびOS(aHR:1.16、95%CI:0.68~2.00)に有意差は認められなかった。
・TNBC症例において、プラチナ製剤の使用とアウトカム改善の間に関連はみられなかった。
著者らは今回の結果について、同患者集団における化学療法のde-escalation戦略を評価する今後の前向き研究に有益な情報をもたらすものとしている。
(ケアネット 遊佐 なつみ)