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TP53変異を伴うEGFR陽性NSCLC、オシメルチニブ+化学療法が有効(TOP)/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/26

 

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に有望な治療法として併用療法が注目されているが、最も大きな恩恵を受ける可能性が高い患者の特定が未解決の臨床的課題とされる。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのTing Zhou氏らは、TP53遺伝子変異を伴うEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者の1次治療では、オシメルチニブと化学療法の併用療法はオシメルチニブ単独と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)の頻度が高いものの新たな安全性シグナルは認められないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年8月10日号に掲載された。

中国の無作為化第III相試験

 本研究は、中国の17施設で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2021年3月~2024年7月に、年齢18歳以上、EGFR遺伝子の感受性変異(Ex19delまたはL858R変異)とともにTP53遺伝子変異を有する未治療のStageIVまたは再発の非扁平上皮NSCLC患者を登録した(AstraZenecaの助成を受けた)。

 被験者294例(年齢中央値57歳[範囲:26~79]、女性159例[54.1%])を、オシメルチニブ+化学療法(ペメトレキセド-カルボプラチン療法を4サイクル[1サイクル3週間])を施行後に維持療法としてオシメルチニブ+ペメトレキセドの投与を受ける群(146例)、またはオシメルチニブのみの投与を受ける群(148例)に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、試験担当医師判定によるPFSであった。副次評価項目は、全生存期間(OS)、奏効期間、安全性およびQOLなどであった。

PFSは34.0ヵ月vs.15.6ヵ月、奏効期間は約2倍に

 ベースラインにおいて全体の48.6%が脳転移を有していた。データカットオフ日(2025年11月11日)の時点で、追跡期間中央値は化学療法併用群が25.1ヵ月、オシメルチニブ単独群は26.1ヵ月だった。

 PFS中央値は、化学療法併用群34.0ヵ月、オシメルチニブ単独群15.6ヵ月であった(群間差:18.4ヵ月[95%信頼区間[CI]:9.9~22.3]、ハザード比[HR]:0.44[95%CI:0.32~0.60]、p<0.001)。

 化学療法併用群におけるPFSの有益性は、脳転移を有する患者やL858R変異を有する患者を含む事前に規定されたサブグループ全体で一貫して認められた。

 OSのデータは十分でなかった(データ成熟度30.6%)が、化学療法併用群で有益性が高い傾向がみられた(OS中央値:化学療法併用群48.4ヵ月[95%CI:42.7~評価不能]vs.オシメルチニブ単独群36.5ヵ月[95%CI:28.1~評価不能]、HR:0.57[95%CI:0.38~0.88])。

 奏効率は、化学療法併用群が82.9%(すべて部分奏効)、オシメルチニブ単独群は71.6%(同)であった。また、奏効期間中央値は、化学療法併用群がオシメルチニブ単独群の約2倍だった(32.7ヵ月vs.15.3ヵ月)。病勢コントロール率は両群で同程度だった(91.8%vs.84.5%)。

Grade3以上のTRAEは併用群で高い、新たな安全性シグナルはなし

 Grade3以上のTRAEの発生率は化学療法併用群で高かった(62.4%vs.14.9%)。なかでも、好中球数減少(38.3%vs.4.1%)、白血球数減少(24.1%vs.0%)、血小板数減少(23.4%vs.0%)、貧血(9.2%vs.0.7%)の頻度が高かった。

 重篤なTRAEの頻度も化学療法併用群で高かった(10.6%vs.1.4%)。化学療法併用群の1例が、肺出血に至った治療関連の重度の血小板減少で死亡した。また、とくに注目すべき有害事象として、間質性肺疾患または肺臓炎が化学療法併用群の7例(5.0%)、オシメルチニブ単独群の10例(6.8%)に、心不全がそれぞれ3例(2.1%)、1例(0.7%)に発現した。

 化学療法併用群では、TRAEによる試験薬の中断が58例(41.1%)、減量が28例(19.9%)、中止が37例(26.2%)で発生し、オシメルチニブの中断は44例(31.2%)、減量は1例(0.7%)、中止は4例(2.8%)でみられた。オシメルチニブ単独群では、それぞれ13例(8.8%)、0%、2例(1.4%)であった。また、新たな安全性シグナルは確認されなかった。

 著者は、「これらの知見は、EGFR変異を有する進行NSCLCに対する、分子リスクに基づく併用療法による個別化治療戦略を支持する重要なエビデンスをもたらす」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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コメンテーター : 田中 希宇人( たなか きゅうと ) 氏

日本鋼管病院 副院長・呼吸器内科 診療部長・患者サポートセンター長