英国・North East London NHS Foundation TrustのMark Horowitz氏らは、ベンゾジアゼピン(BZD)やZ薬を安全に減量するための薬理学的原則についての最新レビューを報告した。Psychological Medicine誌2026年6月18日号掲載の報告。
主な内容は以下のとおり。
・多くのガイドラインにおいて、BZDおよびZ薬の減薬は、長期服用患者の大半に対して推奨されている。
・嗜癖とは異なる身体的依存が生じている場合、とくに長期服用後では離脱症状が重度かつ遷延する可能性があるため、中止は困難であり、失敗リスクが高まる。
・不快感を最小限に抑えつつ、患者が許容できる方法でどのように減量すべきかについては、明確な指針が不足している。
・現在のガイドラインもさまざまであり、直線的な減量(例:1~4週間ごとに1mgずつ減量)を推奨するものもあれば、比例的な減量(例:直近の用量の5~10%を毎月減量し、低用量になるにつれて減量幅も小さくする)を推奨するものもある。
・BZDの用量とGABA-A受容体における活性との関係は双曲線である。すなわち、低用量域では急激に上昇し、高用量域では平坦化する。
・その結果、直線的な減量を行うと、受容体占有率の変化が徐々に大きくなり、離脱症状の増悪が予測される。一方、双曲線的または比例的な減量を行えば、薬理作用は直線的に減少する。
・数日または数週間かけて減量するよりも、数ヵ月や数年かけてゆっくり減量するほうが、成功する可能性が高いと考えられる。
・実際は、離脱症状の重症度に応じて減量速度を調整すべきである。
・最終段階でBZDおよびZ薬を中止する際の「一段階の減量」が、薬理作用の観点からそれまで許容できていた減量幅よりも大きくならないように注意する必要がある。そのため、一部の患者では最終的な用量をきわめて少量(例:ジアゼパム換算量0.2mg以下)にするなどの調整が必要となる。
・低用量域で微量な減量を行う際には、液剤や調剤による製剤が有用になる場合もある。
・直線的な減量と双曲線的な減量を比較するランダム化比較試験が行われているが、その結果を待つ間も、ガイドラインにおいては双曲線的な減量法が推奨されるべきである。
(鷹野 敦夫)