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非心臓大手術、全静脈麻酔vs.揮発性吸入麻酔/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/24

 

 非心臓大手術を受ける高齢患者において、全静脈麻酔(TIVA)は揮発性吸入麻酔と比較し、術後30日時点の在宅日数(days alive and at home;生存し、自宅で過ごした日数)を改善しなかった。英国・Institute of Cancer ResearchのShaman Jhanji氏らVITAL Trial Teamが、「Volatile vs Total Intravenous Anesthesia for Major Non-Cardiac Surgery(VITAL)」試験の結果を報告した。非心臓大手術を受ける高齢者は、術後合併症を呈し医療サービスを利用することが多く、これらに麻酔手技が関係する可能性がある。TIVAと吸入麻酔は意識消失をもたらすが、薬理学的特性、術中の生理学的影響および周術期の安全性プロファイルは顕著に異なる。しかし、回復および安全性に関する両者間の比較は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2026年8月12日号掲載の報告。

主要評価項目は術後30日時点の在宅日数

 VITAL試験は、英国国民保健サービス(NHS)の49施設で実施されたプラグマティックな無作為化非盲検臨床試験である(最終追跡調査:2024年10月)。

 研究グループは、全身麻酔下での待機的非心臓大手術が予定されている50歳以上の患者を、外科分野(筋骨格系、腹腔内、胸部、血管、その他)、予想手術時間(2時間未満、2時間以上)、手術の適応(がん、非がん)、および術前のRockwoodの臨床虚弱尺度スコア(健常、脆弱、虚弱)で層別化し、手術当日に維持麻酔としてTIVA(プロポフォール点滴)群または揮発性の吸入麻酔群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付けた。その他の周術期ケアは、すべて臨床医の裁量に委ねられた。

 主要評価項目は、術後30日時点の在宅日数、副次評価項目は、術後90日時点の在宅日数、30日・90日・6ヵ月時の死亡率、術後3日目のQuality of Recovery-15スコア、術後1日目の患者満足度(Bauer Patient Satisfaction Questionnaire)、術後3日目のせん妄(4 As Test[4AT])、麻酔下での意図しない覚醒、および術後30日以内の主要術後合併症(Clavien-Dindo分類2以上)などであった。

主要評価項目、副次評価項目に有意差なし

 2022年1月12日~2024年4月10日に2,508例が無作為化された(TIVA群1,254例、吸入麻酔群1,254例)。TIVA群の1例が同意を撤回し解析対象から除外された。

 患者背景は、平均年齢67歳(SD 8.9)、男性55%、主な適応はがん(75.4%)で、ほとんどは腹腔内手術(72.1%)であった。

 術後30日時点の在宅日数は、TIVA群22.5日(SD 6.8)、吸入麻酔群22.4日(SD 6.6)で、両群間に有意差は認められなかった(発生率比:1.00、95%信頼区間:0.99~1.02、補正後p=0.68)。

 90日時点の在宅日数、30日・90日・6ヵ月時の死亡率、および術後3日目のQuality of Recovery-15スコアについても差はなかった。

 TIVA群では吸入麻酔群と比較し、術後早期の症状として口渇(74%vs.78%)、嗄声(48%vs.54%)、および悪心・嘔吐(27%vs.36%)の報告率が低かった。

 術後3日目にせん妄が認められた患者の割合は両群で同程度であり、ほとんどの患者(87.6%)はせん妄を呈していなかった。

 術後30日以内の主要術後合併症は全体で312例(12.4%)に発生したが、両群で有意差はなかった(TIVA群154例、吸入麻酔群158例)。

 麻酔下での意図しない覚醒(確実または可能性が高い)は、TIVA群で2例報告された。

(ケアネット)