2026年6月30日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、ピボキシル基を有する小児用抗菌薬4成分に対し、「重要な基本的注意」の項に低カルニチン血症に伴う重篤な低血糖に関する注意事項が追記された。対象となる一般名および主な販売名は以下のとおり。
<対象医薬品>
・セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物(商品名:フロモックス小児用細粒100mgほか)
・セフジトレン ピボキシル(商品名:メイアクトMS小児用細粒10%ほか)
・セフテラム ピボキシル(商品名:トミロン細粒小児用20%)
・テビペネム ピボキシル(商品名:オラペネム小児用細粒10%)
改訂後の内容
「重要な基本的注意」の項が新設され、主に以下の内容が追記された。
・小児(とくに乳幼児)において、本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質の投与後に、低カルニチン血症に伴う重篤な低血糖、痙攣、脳症等を起こすおそれがある。
・本剤の必要性を含む薬剤の選択や投与期間等については、最新のガイドライン等を参考にすること。
・痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう家族等に指導すること。
これまでも、ピボキシル基を有する小児用抗菌薬による低カルニチン血症に伴う低血糖については、すでに「使用上の注意」の「重大な副作用」および「小児等」の項において注意喚起がなされていた。しかしながら、近年においても当該薬剤との因果関係を否定できない症例が報告されており、直近の報告では死亡に至った症例も認められたことから、追加の安全対策措置の要否について検討が行われた。
低カルニチン血症に伴う低血糖は主に乳幼児で報告されており、症状が急速に進行し重篤化するおそれがある。専門委員の意見も聴取した結果、投与の必要性や期間について最新のガイドライン等を参照し適切に判断すること、また低血糖症状発現時の速やかな受診につなげる観点から、医療従事者より家族等へ適切な指導を促すことが適正使用に不可欠と判断され、今回の改訂に至った。
(ケアネット 土井 舞子)