少量の飲酒は死亡率を下げるのか~19万人を21年追跡

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/22

 

 少量のアルコール摂取が健康に良い影響を与えるのかどうか、報告は一貫していない。今回、ノルウェー公衆衛生研究所のAage Tverdal氏らは、約19万人という大規模なコホートを対象にアルコールの種類(ビール、ワイン、蒸留酒)と死亡率(全死亡、心血管疾患・虚血性心疾患・がん・アルコール関連疾患による死亡)との関連を約21年間調査し、とくに「少量のワイン摂取」が死亡率に与える影響について詳細な分析を行った。その結果、アルコール摂取量と全死亡リスクにはJ字型の関連がみられ、とくにワイン摂取量との関連が顕著であった。また、少量のワイン摂取は、ビールや蒸留酒の摂取にかかわらず非飲酒者より死亡率が低いことが示された。Scandinavian Journal of Public Health誌オンライン版2026年7月3日号に掲載。

 本研究は、ベースライン時に心血管疾患やがんの既往がない16~99歳(10パーセンタイル:36歳、90パーセンタイル:52歳)のノルウェー人男女18万7,294人を対象とした大規模コホート研究である。平均追跡期間約21年の間に1万5,642人が死亡した。参加者は心血管に関する健康調査を受け、過去14日間のビール・ワイン・蒸留酒の摂取量について回答した。死亡アウトカムは、直接法を用いて算出した絶対死亡率と主な心血管リスク因子で調整したハザード比(Cox比例ハザードモデルを用いて推定、HR)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・過去14日間のアルコール摂取量別の非飲酒者に対するHR(95%信頼区間[CI])は以下のとおり。
 - 全死亡:1〜9杯0.91(0.88~0.94)、10〜19杯1.01(0.96~1.07)、20杯以上1.44(1.32~1.57)
 - 虚血性心疾患による死亡:1〜9杯0.86(0.77~0.97)、10〜19杯0.82(0.68~0.98)、20杯以上1.09(0.83~1.43)
 - アルコール関連疾患による死亡:1〜9杯1.63(1.07~2.49)、10~19杯4.47(2.85~7.02)、20杯以上13.0(8.11~20.8)
・ワインの少量摂取のみ、もしくは少量のビールや蒸留酒と組み合わせた場合のHRは0.84(95%CI:0.78~0.89)から0.90(同:0.84~0.97)、一方、ワインを含まない組み合わせ(ビールや蒸留酒のみ)のHRは、1.00(同:0.95~1.06)から1.06(同:1.00~1.13)であった。

 著者らは、本研究の限界として、生涯禁酒者と元飲酒者を区別できないこと、グラスのサイズが不明で飲酒量をアルコール量に換算できないこと、14日間の摂取量について記憶の偏りが生じる可能性などを挙げた。一方、本研究の強みとしては、大規模なコホートを対象とし多くの心血管リスク因子に関する情報が得られていること、同一の研究プロトコルに基づいていること、死因に関する完全な追跡調査が行われていることを挙げている。

(ケアネット 金沢 浩子)