サンバイオは2026年5月21日に、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善を効能、効果又は性能とした細胞治療薬「アクーゴ脳内移植用注」(一般名:パンデフィテムセル、以下「アクーゴ」)の販売を開始したことを発表した。
アクーゴは、健康なドナーの骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養した後、神経再生能力を高めるためのヒトNotch-1細胞内ドメイン遺伝子を導入して作られる、ヒト(他家)骨髄由来加工間葉系幹細胞である。脳内の損傷した神経組織に移植することで、タンパク質の一種であるFGF-2などが放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する作用が示唆されている。
国内においては、厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定され、2024年7月31日に条件及び期限付き製造販売承認を取得していた。また海外においては、米国食品医薬品局(FDA)よりRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定を、欧州では欧州医薬品庁(EMA)より先端医療医薬品(ATMP)の指定を受けている。
外傷性脳損傷は、交通事故や転倒などで頭部に外部から強い力が加わることで脳機能に障害をもたらす疾患であり、長期にわたり身体機能や認知機能、社会生活に影響を及ぼす慢性的な機能障害を伴うことから、大きなアンメットメディカル・ニーズが存在している。
アクーゴの有効性評価について、国際共同第II相臨床試験(TBI-01試験)の多施設共同偽手術対照無作為化二重盲検比較試験が米国、日本、ウクライナで実施された。主要評価項目である「24週目におけるFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)のベースラインからの変化量」において、各用量群を併合したSB623群(46例)では8.3±10.6、偽手術群(15例)では2.3±4.7となり、有意な改善効果が認められた(p=0.0401)1)。
【製品概要】
販売名:アクーゴ脳内移植用注
一般名:バンデフィテムセル
効能、効果又は性能:外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善
薬価:72,716,528円
用法及び用量又は使用方法:通常、成人にはヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞として、生細胞5×106個(300μL)の細胞調製液を、専用投与機器セットを用いた定位脳手術により、損傷した組織の周辺部に移植する。頭蓋骨の小孔1箇所を通り損傷周辺部に至る3つの移植経路から、1移植経路あたり細胞懸濁液100μLを最深部から5~6mm間隔で5箇所に、1箇所あたり20μL移植する。注入速度は約10μL/minとする。移植に際しては、以下を行うこと。
1.手術開始前に脳神経外科用侵襲式頭部固定具に専用投与機器セットのガイド&ストップ、スタイレットを備えたインサーターを取り付ける。
2.脳内移植用細胞剤を融解し、専用調製液を用いて洗浄した後、移植濃度1.67×106個/100μLになるように専用調製液で調製し、細胞懸濁液とする。専用投与機器セットの投与カニューラを固定したマイクロシリンジを専用調製液により清浄化した後、細胞懸濁液を充填する。
製造販売承認取得日:2024年7月31日
発売日:2026年5月21日
製造販売元:サンバイオ株式会社
(ケアネット 古賀 公子)