抗TROP-2 ADCはTROP-2発現レベルで効果が変わるか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/27

 

 抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)は、転移乳がんの治療薬として有効性を示しているが、患者のTROP-2の発現レベルによって効果がどの程度異なるかは明らかではなかった。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberto Buonaiuto氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析により、抗TROP-2 ADCは転移乳がんの無増悪生存期間(PFS)を有意に改善するが、その治療効果はTROP-2発現レベルが高い患者でより顕著であることが示された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2026年7月10日号掲載の報告。

 研究グループは、転移乳がん患者を対象に抗TROP-2 ADCによる治療を行った第II~III相試験(2015年1月~2025年9月)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施し、TROP-2発現レベルと抗TROP-2 ADCの有効性との関係を評価した。対象は、ASCENT試験(サシツズマブ ゴビテカン)、TROPiCS-02試験(サシツズマブ ゴビテカン)、EVER-132-002試験(サシツズマブ ゴビテカン)、OptiTROP-Breast01試験(sacituzumab tirumotecan)、TROPION-Breast01試験(ダトポタマブ デルクステカン)の5試験の参加者であった。

 各試験が独自に設定したTROP-2発現レベルごとに、PFSのハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)のデータを抽出した。さらに、試験間のデータの異質性を考慮したうえで、固定効果モデルあるいはランダム効果モデルを用いて統合ハザード比を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析には、抗TROP-2 ADCまたは化学療法が実施された1,879例が含まれた。
・抗TROP-2 ADCは、全体のサブグループとトリプルネガティブ乳がん(TNBC)のサブグループにおいて、TROP-2発現レベルにかかわらず化学療法と比較してPFSを有意に改善した。
 -全体集団のTROP-2高発現群 HR:0.34、95%CI:0.20~0.57
 -全体集団のTROP-2低発現群 HR:0.63、95%CI:0.50~0.79
 -TNBCのTROP-2高発現群 HR:0.27、95%CI:0.20~0.37
 -TNBCのTROP-2低発現群 HR:0.46、95%CI:0.33~0.64
・HR+/HER2-乳がんにおいては、PFSの有意な改善はTROP-2高発現群でのみ確認された(HR:0.56、95%CI:0.47~0.68)。
・すべてのサブタイプにおいて、PFSの改善はTROP-2高発現群でより顕著であった。

 研究グループは「これらの知見は、患者の選択と治療方針の決定を最適化するために、標準化され、臨床的に意義のあるTROP-2検査の重要性を浮き彫りにしている」とまとめた。

(ケアネット 森)