1次治療前のがん遺伝子パネル検査の結果が生存期間を延長する可能性(FIRST-Dx)/日本臨床腫瘍学会

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/01

 

 1次治療前からのがん遺伝子パネル検査(CGP検査)は推奨治療を受けた患者の生存を改善するという結果が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において報告された。

 日本でのCGP検査は2019年6月から保険診療で実施可能となったが、その適応は「標準治療がない、もしくは終了した症例」に限られている。そのため、CGP検査の結果から、有効な治療薬に到達する割合は低い。厚生労働省第12回がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議資料では、CGP検査結果に基づいた治療を実際に受けた症例は8.2%にとどまる。

 一方、世界的なCGP検査の推奨時期は、1次治療開始前または可能な限り早期、である。そのような中、日本でも1次治療開始前に切除不能進行・再発がんにCGP検査を行う「FIRST-Dx研究」が2021年5月から先進医療Bとして実施された。同学術集会では、FIRST-Dx研究の3年追跡研究の結果が東京大学の鹿毛 秀宣氏から発表された。

・試験デザイン:多施設共同前向き観察研究(FIRST-Dx最終症例登録から3年間)
・対象:FIRST-Dx研究に登録され、FoundationOne CDx検査が行われた全身療法未施行の20歳以上の切除不能進行・再発がん(消化器・肺・乳腺・婦人科・悪性黒色腫)172例
・主要評価項目:全生存期間(OS)

 主な結果は以下のとおり。

・観察期間中央値25.0ヵ月で、26.7%(46例)の患者がエキスパートパネルによる分子標的に基づく推奨分子標的治療(MBRT)を受けた。
・推奨MBRT群(上記46例)の標準治療群に対するOSのハザード比(HR)は0.62(95%信頼区間[CI]:0.39〜0.99)で、有意に推奨MBRT群で長かった(p=0.047)。
・FIRST-Dx研究と保険診療(リアルワールド)データをプロペンシティ・スコアでマッチング(各67例)した探索的解析の結果、リアルワールドデータ群に対するFIRST-Dx群のOS HRは0.61(95%CI:0.44〜0.94)で、FIRST-Dx群で有意に延長した(p=0.02)。

 これら2つの結果から、発表者は1次治療前のCGP検査は推奨MBRTを受けた患者の生存率を改善に導くと結んだ。

(ケアネット 細田 雅之)