乳がん周術期化学療法後に長期持続する有害事象、患者報告アウトカムで明らかに~日本の前向き研究

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/18

 

 乳がん周術期化学療法終了後、末梢神経障害、味覚異常、不眠、爪脱落が6ヵ月以上持続することが、患者報告アウトカム(PRO)に基づく質問票を用いた前向き観察研究で明らかになった。日本医科大学の藤井 孝明氏らがCancer Diagnosis & Prognosis誌2026年3月1日号で報告した。

 本研究は、2016年1月~2023年3月に群馬大学でドセタキセル/シクロホスファミド療法(TC)またはアントラサイクリン系とタキサン系併用療法(A+T)による周術期化学療法を受けた手術可能な原発性乳がん患者を対象に、化学療法後の有害事象の長期経過を評価した。化学療法終了時および6ヵ月後に、本研究のために作成されたCTCAE準拠のPROに基づく質問票を用いて、悪心、嘔吐、口腔粘膜炎、便秘、下痢、味覚異常、不眠、末梢神経障害、爪脱落、脱毛について尋ねた。各有害事象の頻度および重症度についてレジメン間で比較し、経時的変化を分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・計115例(年齢中央値:50歳)を評価した。
・化学療法終了時点では、悪心、嘔吐、口腔粘膜炎、便秘、味覚異常、不眠、末梢神経障害、爪脱落が多かったが、6ヵ月後には消化器症状の頻度は減少していた。
・いくつかの有害事象、とくに末梢神経障害、味覚異常、不眠、爪脱落は6ヵ月超持続した。末梢神経障害はGrade3の症状が持続し、爪脱落は6ヵ月時点で増加していることが確認された。
・TC群と比較して、A+T群では末梢神経障害の持続期間が長かった。

 著者らは「この結果は、化学療法中だけでなく化学療法終了後の数ヵ月間もモニタリングを行うことの重要性を強調している。PROに基づく質問票をフォローアップケアに組み込むことは支持療法の最適化のために重要な可能性がある」とまとめている。

(ケアネット 金沢 浩子)