全国的にスギ花粉の飛散が始まろうとしている。厚生労働省の統計によると、花粉症の有病率は2019年に42.5%となり、年々有病者数は増加しているという。国民病となった花粉症について、医師における有病率の違い、医師ならではの予防や対策などはあるのであろうか。
CareNet.comでは、2026年1月19~25日にかけて、会員医師1,000人(うち耳鼻咽喉科の医師100人を含む)に「医師の花粉症とその実態」についてアンケートを行った。
花粉症へのアレルゲン免疫療法、生物学的製剤などの治療数は少ない
質問1で「花粉症かどうか」(単回答)を聞いたところ、「花粉症ではない」が40%と一番回答率高く、(診断を受け)「花粉症である」が33%、(診断を受けず)「花粉症である」が24%、「わからない」が3%の順で多かった。しかしながら、診断の有無を考慮しない場合、全体の57%が「花粉症である」を回答していた。
質問2で「花粉症で困る症状について」(複数回答)を聞いたところ、全体では「鼻汁」が81%、「くしゃみ」が59%、「目、皮膚、喉のかゆみ」が58%の順で多かった。耳鼻咽喉科とそれ以外の診療科の医師との比較では、両方で「鼻汁」が一番多かったが、「くしゃみ」、「目、皮膚、喉のかゆみ」、「鼻閉」などで若干の差がみられた。また、「集中力の低下」と「倦怠感・頭痛」は、それ以外の診療科の医師からの回答数が耳鼻咽喉科の医師の回答の2倍以上だった。
質問3で「花粉症の治療としてどのようなことをしているか」(複数回答)を聞いたところ、全体では「医療用医薬品の内服薬」が72%、「OTC薬の内服薬や外用薬」が29%、「医療用医薬品の外用薬」が26%の順で多かった。耳鼻咽喉科とそれ以外の診療科の医師との比較では、両方で「医療用医薬品の内服薬」が一番多かったが、「OTC薬の内服薬や外用薬」と「医療用医薬品の外用薬」で順位が逆転していた。また、それ以外の診療科の医師では「アレルゲン免疫療法」、「生物学的製剤」、「手術」の治療を行っていたが、耳鼻咽喉科の医師は行っていないという回答結果だった。
質問4で「お勧めの花粉症予防法・対策」(自由記載)について聞いたところ、全体では「マスクの着用」が19%で多く、「専用眼鏡・ゴーグルの着用」と「鼻洗浄・鼻うがい」は4%と同じ回答率だった。耳鼻咽喉科とそれ以外の診療科の医師との比較では、耳鼻咽喉科の医師では「専用眼鏡・ゴーグルの着用」の回答率が多く、「鼻洗浄・鼻うがい」はほぼ同じ回答率だった。
質問5で「花粉症にまつわるエピソード」を聞いたところ、下記のようなコメントが寄せられた。
【花粉症の症状のエピソード】
・くしゃみが止まらなくて、風邪と判断されることが多々ある(30代/膠原病・リウマチ科)
・花粉症の活動期は喘息発作も起きやすくなるので注意している(60代/麻酔科)
【治療薬に関するエピソード】
・ワセリンの鼻への塗布が有効(40代/麻酔科)
・花粉の飛散の日内変動は朝と夕方にあるので、作用時間の長い薬剤の方が効果的(60代/糖尿病・代謝・内分泌内科)
【患者への助言などのエピソード】
・患者に自分が使っている薬を教えると喜ばれる(50代/耳鼻咽喉科)
・処方に合わせて鼻うがいを指導している(30代/耳鼻咽喉科)
【花粉症予防に関するエピソード】
・だいたいバレンタインデーの頃から花粉症の問診と処方を開始する(50代/心療内科)
・花粉に曝露しないことが一番大事。曝露したときは鼻うがいで洗い流すが、真水ではだめ(60代/耳鼻咽喉科)
■参考
医師の花粉症とその実態について/医師1,000人アンケート
(ケアネット 稲川 進)