新規診断の多発性骨髄腫患者と医師のコミュニケーションの実態~国内アンケート調査

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/11

 

 多発性骨髄腫の治療選択肢が拡大する中、協働意思決定(SDM)の重要性が増しており、医師と患者のコミュニケーションが重要となる。今回、近畿大学奈良病院の花本 均氏らが実臨床における医師と患者のコミュニケーションの実態についてアンケート調査した結果、治療開始時および病状安定時において、医師と患者の認識に顕著な乖離があることが示された。eJHaem誌2026年4月26日号に掲載。

 本研究は、造血幹細胞移植を受けていない新規に診断された多発性骨髄腫患者220例と、多発性骨髄腫を診療する血液専門医120人を対象とした観察調査研究(2024年9〜11月実施)である。患者は自己記入式の34項目の調査票(オンラインまたは紙媒体)に回答し、血液専門医は、自己記入式の18項目の調査票にオンラインで回答した。治療開始時および病状安定時における、患者と医師間のコミュニケーションの状況、患者の治療に対する期待、価値観、感情、知識、治療に関する意思決定の希望に関する情報をまとめた。

 主な結果は以下のとおり。

・医師側は、治療開始時に82.5%、病状安定時に65.0%が治療選択肢を提示または説明したと回答した一方、患者側で提示または説明を受けたと回答したのは、治療開始時で45.9%、病状安定時で50.3%であった。
・治療開始時および病状安定時において、治療の希望を確認されたと回答した患者は、それぞれ23.6%および25.2%と、希望を尋ねたと回答した医師(それぞれ67.5%と50.8%)より低かった。
・患者の感情は治療開始時のネガティブなものから病状安定時にはポジティブへと変化し、疾患や治療に関する知識が向上した。また、治療に対する期待も変化した。
・患者の44.5%が意思決定への参加を希望していたが、実際に治療開始時に参加していたのは21.8%であった。

 本結果から、著者らは「医師と患者の間でコミュニケーションに対する認識の乖離が確認された。医師は患者の期待や感情、知識が治療開始から病状安定期にかけて変化することを理解し、各時期で治療選択肢や計画についてより効果的にコミュニケーションを取る必要がある」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)