薬剤師連携で精神疾患患者の薬理学的介入を最適化できるか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/19

 

 臨床薬剤師との連携による服薬レビュープロセスは、精神疾患および身体的合併症を有する高齢患者に対する薬物療法の最適化につながる可能性がある。スロベニア・マリボル大学のMatej Stuhec氏らは、服薬レビューにおける臨床薬剤師の推奨が、薬剤数の変化、潜在的に不適切な薬剤(PIM)の使用、潜在的な薬物間相互作用(DDI)、治療ガイドラインの順守などにどのような影響を及ぼすかを評価した。Frontiers in Pharmacology誌2025年9月1日号の報告。

 本研究は、スロベニアの精神科病院において、レトロスペクティブ非介入研究として実施された。対象は、2013〜18年に服薬レビューのために紹介され、身体的合併症(心不全、動脈性高血圧、糖尿病)に関連する治療変更を少なくとも1回受けた65歳以上の精神疾患入院患者100例。臨床薬剤師は、Pharmaceutical Care Network Europeの定義によるタイプ3の服薬レビュー(高度な服薬レビュー)を実施した。服薬レビュー完了後すぐに、病院の電子システムに推奨事項を記録した。服薬レビュー前と退院時における電子システムから抽出されたアウトカムのデータをシステマティックにレビューした。主要アウトカムは、介入前後の薬剤数、PIMの使用、DDIの変化とした。DDIは、Lexicomp Onlineデータベースを用いて特定し、Xタイプ(禁忌)およびDタイプ(重篤)に分類した。副次的アウトカムは、心不全、動脈性高血圧、糖尿病の治療ガイドラインの順守とした。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者の平均年齢は78.1±6.78歳であった。
・総薬剤数は6.6%減少した(1,144→1,068、p<0.001)。また、承認率は59.2%であった。
・レビュー後、XタイプDDIは75.8%減少し(33→8、p<0.001)、DタイプDDIは56.9%減少した(188→81、p<0.001)。
・PIM数も有意に減少し(p<0.001)、Priscus Listに基づくと29.5%減少し(308→217)、Beers Criteriaに基づくと17.5%減少した(343→283)。
・身体的合併症の治療ガイドラインの順守率は有意に改善した(3.3〜13.2%→50.0〜72.6%、p<0.001)。

 著者らは「臨床薬剤師との連携による服薬レビュープロセスは、薬剤数、PIM、DDIを効果的に減少し、治療ガイドラインの順守率も有意に向上させることが示された」としている。

(鷹野 敦夫)