アルツハイマー病/MCI患者の認知機能保護にω3脂肪酸は有効か?〜メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/06

 

 アルツハイマー病や軽度認知障害(MCI)患者において、ω3多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)が脳活動に有益な効果をもたらすことが報告されている。しかし、認知機能改善に対するn-3 PUFAによる食事介入の有効性については、一貫した知見が得られていない。中国・鄭州大学のPipasha Khatun氏らは、n-3 PUFAによる食事介入がアルツハイマー病またはMCIと診断された患者の認知機能に及ぼす影響を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Nutrition Reviews誌オンライン版2025年10月1日号の報告。

 n-3 PUFA摂取量と認知機能関連アウトカムとの関連性を検証したランダム化比較試験をPubMed、PubMed Central Library、Cochrane Libraryよりシステマティックに検索した。9研究の包括的評価を行い、そのうち7研究をメタ解析に含めた。著者、出版年、研究分野、研究種類、病態(アルツハイマー病またはMCI)などの重要な詳細情報をデータ抽出手順に組み込んだ。対象研究の評価には、コクランのバイアスリスク評価尺度、ランダム効果モデル、標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・n-3 PUFA摂取は、全検査IQ(FSIQ)(SMD:-0.82、95%CI:-1.57〜-0.08、p=0.000)、情報処理(SMD:-2.90、95%CI:-5.25〜-0.56、p=0.000)、認知機能における数字記憶/ワーキングメモリ/注意力(SMD:-1.89、95%CI:-3.27〜-0.51、p=0.000)の改善に有効であることが示唆された。
・一方、n-3 PUFA摂取は、画像補完(SMD:-0.07、95%CI:-0.50〜0.35、p=0.000)、図の配置(SMD:-0.08、95%CI:-0.32〜0.16、p=0.075)、ブロックデザイン(SMD:-0.15、95%CI:-0.37〜0.03、p=0.123)、算数的側面(SMD:-0.33、95%CI:-0.61〜0.04、p=0.007)に対する有効性は認められなかった。

 著者らは「n-3 PUFAは、MCI患者のFSIQ、情報処理、数字記憶/ワーキングメモリ/注意力などの認知機能改善に有意な影響を及ぼすことが示唆されたが、絵の完成や配置など一部の認知機能領域に対する有効性は認められなかった」とまとめている。

(鷹野 敦夫)