男性の平均寿命、市区町村で10年以上の差/厚労省

提供元:ケアネット

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公開日:2023/05/19

 

 厚生労働省は5月12日、「令和2年市区町村別生命表」を発表した。市区町村別生命表は、死亡状況を市区町村単位で比較分析するため、国勢調査による日本人人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による日本における日本人の死亡数、出生数を基に、2000年(平成12年)から5年(国勢調査年)ごとに作成し、今回が5回目となる。本結果によると、平均寿命が最も長い市区町村は、男女ともに神奈川県川崎市麻生区で、男性84.0年、女性89.2年であった。一方、平均寿命が最も短かったのは、男女ともに大阪府大阪市西成区で、男性73.2年、女性84.9年であった。平均寿命の最も長い市区町村と最も短い市区町村との差は、男性10.8年、女性4.2年であった。

 2020年(令和2年)の全国の平均寿命(0歳の平均余命)は、男性が81.49年、女性が87.60年であった。平均寿命の分布を市区町村別にみると、男性では81.0~81.5年、女性では87.0~87.5年に最も多く分布していた。

最長は川崎市麻生区、最短は大阪市西成区

 男性では神奈川県川崎市麻生区が84.0年で最も長く、次いで神奈川県横浜市青葉区(83.9年)、長野県上伊那郡宮田村(83.4年)となっている。また、女性も神奈川県川崎市麻生区が89.2年で最も長く、次いで熊本県上益城郡益城町(89.0年)、長野県下伊那郡高森町(89.0年)となっている。

 一方、平均寿命が短い順では、男性では大阪府大阪市西成区が73.2年で最も短く、次いで大阪府大阪市浪速区(77.9年)、大阪府大阪市生野区(78.0年)となっており、女性も大阪府大阪市西成区が84.9年で最も短く、次いで青森県東津軽郡今別町(85.5年)、青森県南津軽郡田舎館村(85.5年)となっている。

平均寿命の男女差が最も大きいのも大阪市西成区

 男女の平均寿命の相関をみると、男女ともにほぼ全国値(男性81.49年、女性87.60年)を中心に分布しており、相関係数は0.73となっている。男女の平均寿命の差は全国で6.11年となっており、これを市区町村別にみると、男女差が最も大きいのは大阪府大阪市西成区(11.8年)であり、次いで高知県高岡郡中土佐町(8.5年)、大阪府大阪市生野区(8.3年)となっている。逆に、最も小さいのは高知県幡多郡三原村(4.5年)であり、次いで長野県上伊那郡宮田村(4.6年)、奈良県吉野郡吉野町(4.6年)となっている。

市区町村別平均寿命(上位・下位5市区町村)

【上位・男性】
1位 神奈川県川崎市麻生区 84.0年
2位 神奈川県横浜市青葉区 83.9年
3位 長野県上伊那郡宮田村 83.4年
4位 愛知県日進市     83.4年
5位 京都府木津川市    83.3年
【上位・女性】
1位 神奈川県川崎市麻生区 89.2年
2位 熊本県上益城郡益城町 89.0年
3位 長野県下伊那郡高森町 89.0年
4位 滋賀県草津市     89.0年
5位 兵庫県芦屋市     88.9年

【下位・男性】
1位 大阪府大阪市西成区  73.2年
2位 大阪府大阪市浪速区  77.9年
3位 大阪府大阪市生野区  78.0年
4位 青森県下北郡東通村  78.1年
5位 青森県上北郡六ヶ所村 78.3年
【下位・女性】
1位 大阪府大阪市西成区  84.9年
2位 青森県東津軽郡今別町 85.5年
3位 青森県南津軽郡田舎館村 85.5年
4位 青森県南津軽郡大鰐町 85.6年
5位 青森県むつ市     85.6年

(ケアネット 古賀 公子)

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