若年性認知症の診断5年前からみられる症状

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/08

 

 若年性認知症には多くの根本的な病因があり、初期症状の不均一性が大きいといわれている。そのため、一般開業医が若年性認知症を発見することは困難である。オランダ・マーストリヒト大学のStevie Hendriks氏らは、若年性認知症の診断前段階でみられる一般的な初期症状の特定を試みた。その結果、若年性認知症患者では診断5年前より異なる症状が認められるが、各症状は他疾患においても認められるため、一般開業医が若年性認知症を鑑別診断することは容易ではないとしながらも、症状カテゴリーの組み合わせにより、若年性認知症を検知できる可能性が示唆されたことを報告した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2022年5月13日号の報告。

 プライマリケア・レジストリのコホート内ケースコントロール研究として実施した。対象は、若年性認知症患者89例とそれにマッチした若年性認知症でない対照群162例。診断5年前までの症状について、両群間で比較を行った。本研究に含まれた変数は、プライマリケア国際分類のコード、一般開業医のノートより抽出された症状、グループに分類された症状であった。症状の時間的軌跡を分析するため一般化方程式推定を用い、症状カテゴリー数の差を分析するためロジスティック回帰およびROC曲線分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・若年性認知症患者は、対照群と比較し、診断5年前より認知症状、診断4年前より情動症状、診断3年前より社会的症状、診断2年前より行動症状、診断1年前より日常機能障害の発現が多かった。
・ROC曲線分析では、一般開業医で2つ以上の症状カテゴリーが報告された場合、若年性認知症の診断正答率が最も高く、感度(85%)、特異度(77%)において最良であることが示唆された。

(鷹野 敦夫)