統合失調症に対するベンゾジアゼピン併用の影響

提供元:ケアネット

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公開日:2022/02/18

 

 統合失調症患者に対するベンゾジアゼピンの使用について、未使用、短期使用、長期使用の場合の疾患経過に対する影響を、トルコ・Usak UniversityのOkan Ekinci氏らが、検討を行った。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2022年1月17日号の報告。

 2015年1月~2019年1月に精神科病院に入院した統合失調症患者を対象にレトロスペクティブ研究を実施した。患者の臨床経過の特徴について、最初の入院から観察期間終了(24ヵ月)までレトロスペクティブに追跡した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者1,710例のデータを分析に含めた。
・ベンゾジアゼピンを短期使用している患者は、未使用患者や長期使用患者と比較し、精神科入院が少なく、精神科サービスの利用期間も短かった。
・抗精神病薬の中止率および自殺関連行動の出現率についても、ベンゾジアゼピンを短期使用している患者は、未使用患者や長期使用患者と比較し、有意に低かった。

 著者らは「統合失調症患者に対するベンゾジアゼピンの短期使用は、より良い臨床経過と関連していることが示唆された。今後の研究において、さまざまなベンゾジアゼピンの使用パターンが疾患予後に及ぼす影響を、長期フォローアップ調査やプロスペクティブ研究で評価し、併せて精神病理学的因子についても調査する必要がある」としている。

(鷹野 敦夫)