日本のワクチン忌避者は11%、若年女性は高齢男性の3倍に

提供元:ケアネット

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公開日:2021/07/13

 

 2021年6月25日、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、日本初の新型コロナワクチン忌避に関する大規模オンライン調査の結果を発表した。

 この調査は、NCNPトランスレーショナル・メディカルセンター大久保 亮氏、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター吉岡 貴史氏、大阪市立大学大学院公衆衛生学大藤 さとこ氏、聖路加国際病院松尾 貴公氏、大阪国際がん研究センター田淵 貴大氏らの合同研究チームが行ったもので、結果はVaccines誌2021年6月号に掲載された。

 研究チームは、2021年2月8〜26日に日本全国の2万6,000人を対象にワクチン接種の意向に関するオンライン調査を実施した(有効回答数は2万3,142人)。

 「新型コロナワクチン接種を接種したいか」という設問に対する「接種したい」「様子を見てから接種したい」「接種したくない」の3つの選択肢の中から、「接種したくない」を選択した回答者を「ワクチン忌避者」と定義づけた。

 主な結果は以下のとおり。

・ワクチン忌避者の割合は11.3%だった。年齢・性別で層別化すると、若年(15~39歳)女性の15.6%から高齢(65~79歳)男性の4.8%まで、大きなばらつきがあった。
・ワクチン忌避の理由として最も多かったのは、「副反応への懸念」(74%)だった。
・日本のワクチン忌避者の割合は、海外での調査で明らかになったものとほぼ同等で、若年者の割合は高齢者の2倍以上だった。
・若年・女性のほかにワクチン忌避者の割合が高くなる背景としては、一人暮らし、年間100万円未満の低所得、中学卒業および短大・専門学校卒業の教育歴、政府ないしコロナ政策への不信感、重度の気分の落ち込みがある、が挙がった。

 研究チームは、今回ワクチン忌避者の割合が高くなる背景が判明しており、これらの層にワクチンの適切な情報を確実に届けられるよう、措置を講じる必要があるとしている。

(ケアネット 杉崎 真名)