「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」を公開/日本アレルギー学会

提供元:ケアネット

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公開日:2021/03/15

 

 新型コロナウイルスワクチンが特例承認され、2月から医療関係者を対象とした接種が始まっている。現時点でアナフィラキシー発症頻度が従来のワクチンよりも高いことが報告されているが、いずれも適切な対処により回復している。ワクチン接種に際してはその益と害のバランスを考えることが必要であり、副反応に対する過度な懸念や対応は社会に大きな損失と負担をもたらす。日本アレルギー学会では、新型コロナウイルスワクチン接種に伴う副反応のうち、とくに重度の過敏反応(アナフィラキシー等)を起こし得る危険因子、管理、診断および治療について現時点の情報を整理し、適切にワクチン接種を行うための指針として、「新型コロナウイルスワクチン接種にともなう重度の過敏症(アナフィラキシー等)の管理・診断・治療」を作成し、3月1日学会ホームページに公開した。3月12日に改訂版が公開されている。

 本指針には、副反応の種類と頻度、副反応の機序、ワクチン接種の対象(不適格者、要注意者)、アレルギー反応/アナフィラキシー対策(準備体制、アレルギー反応/アナフィラキシーの診断と対応、アナフィラキシー類似の症候・疾患の鑑別と初期対応)がまとめられている。ワクチン接種を実施する際の具体的な対応として、ワクチン接種後の観察時間、アレルギー反応が見られたときの対応方法、アナフィラキシーの診断基準、アナフィラキシー発症時の対応方法のほか、アナフィラキシー類似症状を起こしうる症状(血管迷走神経反射、パニック発作、喘息発作、過換気症候群、てんかん)の対応方法も解説している。

(ケアネット 金沢 浩子)