COVID-19パンデミック中の霜焼け症状、病態生理が明らかに

提供元:ケアネット

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公開日:2020/12/23

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下で報告が相次いだ「凍瘡様病変」の病態生理が明らかにされた。フランス・コートダジュール大学のThomas Hubiche氏らによる連続患者40例の前向きケースシリーズ研究の結果、ウイルス誘発型のtype I interferonopathyの症状を呈していることが示唆されたという。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年11月25日号掲載の報告。

 COVID-19パンデミック下で凍瘡様病変を呈した患者コホートに関する、体系的、臨床的、組織学的および生物学的評価は、フランスのニース大学病院COVID-19学際的診療グループによって行われた。
 対象患者は、皮膚生検、血管評価、生物学的解析、インターフェロンアルファ(IFN-α)の刺激と検出、および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と血清学的解析などの一般および皮膚科学的検査を受け評価された。

 主な結果は以下のとおり。

・全体で、凍瘡様病変を呈した連続患者40例が評価に含まれた。
・患者の大半は若者で、年齢中央値は22歳(範囲:12~67歳)、男性19例、女性21例であった。臨床所見は、主に爪先での凍瘡様病変で、再現性が高かった。
・水疱性および壊死性への病変進行が11例で観察され、肢端紫藍症または足趾の冷えは19例(47.5%)報告された。
・COVID-19症例に適合する基準が、発症前6週間以内に11例(27.5%)で認められた。
・リアルタイムPCR(rt-PCR)検査の結果は、全症例で陰性であった。
・全体では12例(30%)で、SARS-CoV-2の血清学的評価が陽性であった。また、24例(60.0%)でDダイマー値の上昇が認められた。
・クリオグロブリン血症およびパルボウイルスB19の血清学的評価は、検査をしたすべての患者で陰性だった。
・特徴的だった主な組織学的所見は、細静脈壁の肥厚と周皮細胞過形成を伴うリンパ球性炎症および血管損傷であった。
・凍瘡様病変を呈する患者集団は、軽度~重度の急性COVID-19患者と比較して、in vitroでの刺激後にIFN-α産生の有意な増加が観察された。

(ケアネット)