COVID-19、集団免疫への依存は「科学的根拠のない危険な誤り」/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/20

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡っては、いまだ世界規模で収束へのめどが立たないなか、Lancet誌オンライン版2020年10月14日号において欧米の専門家80人が連名でCORRESPONDENCEを発表。重症化しにくい若年者などの感染・伝播による集団免疫を期待する考えは「科学的根拠のない危険な誤り」であるとし、現段階ではCOVID-19の感染制御こそが社会や経済を守る最善策であると訴えている。

 WHOの報告によると、SARS-CoV-2は世界中でこれまでに3,500万人以上が感染し、100万人超の死亡が確認されている。国や地域によっては、第2波の感染拡大を受けて再び非常事態宣言を出すなど、差し迫った事態に直面している。今回発表された書簡では、こうした状況下において、集団免疫への新たな関心が生まれていると指摘。集団免疫支持者は、若年者など低リスク集団における感染獲得によって集団免疫の発達につながり、最終的には基礎疾患を有する人や高齢者などを保護することになると示唆しているという。

 しかし、専門家らは「この考えは科学的根拠による裏付けのない危険な誤り」であり、「COVID-19への自然感染による免疫に依存するパンデミック管理戦略には欠陥がある」と断じている。その理由として、若年者らへの感染拡大により、全人口に対する罹患・死亡リスクが生じること、労働力全体への影響、急性期およびかかりつけ医療機関をひっ迫させることなどを挙げている。さらに、現段階ではSARS-CoV-2自然感染後の抗体の持続期間は不明である点も指摘している。

 一方で、日本をはじめ、ベトナムやニュージーランドを例に挙げ、「強力な公衆衛生対応により感染が制御され、生活をほぼ正常に戻すことができることを示している」とし、「安全で効果的なワクチンと治療法に今後数ヵ月以内に到達するまでは、COVID-19の感染制御が社会と経済を保護するための最良の方法である」と述べ、科学的根拠に基づいた行動を求めている。

(ケアネット 鄭 優子)