METexon14スキッピング変異陽性NSCLCに対するテポチニブの有効性/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2020/10/12

 

 非小細胞肺がん(NSCLC)では、3~4%の患者に発がんドライバー変異であるMET遺伝子exon14スキッピング変異が認められるという。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのPaul K. Paik氏らはMETexon14スキッピング変異が確認された進行NSCLC患者における非盲検第II相試験において、MET阻害薬であるテポチニブにより、約半数の患者で部分奏効が得られ、主なGrade3以上の副作用は末梢浮腫であったことを明らかにした。NEJM誌2020年9月3日号掲載の報告。

 研究グループは、METexon14スキッピング変異が確認された進行または転移があるNSCLC患者を対象に、テポチニブ500mg/日投与した。

 主要評価項目は、9ヵ月間以上追跡調査した患者における独立評価委員会(IRC)判定による奏効率(ORR)とした。

 主な結果は以下のとおり。

・2020年1月1日時点で、テポチニブ投与例は計152例、9ヵ月以上追跡された患者は99例であった。
・血液検体または腫瘍組織検体で変異陽性が確認された全体集団(99例)において、IRC判定による奏効率は46%、奏効期間中央値は11.1ヵ月であった。
・奏効率は、血液検体陽性群(66例)で48%、腫瘍組織検体陽性群(60例)で50%であった。
・両検体でいずれも変異陽性であった患者は27例であった。
・治験担当医判定による奏効率は56%であり、前治療にかかわらず同程度の結果が得られた。
・Grade3以上の副作用(治験担当医がテポチニブに関連していると判断した有害事象)は28%の患者で報告され、主なものは末梢浮腫(7%)であった。
・テポチニブの永続的な投与中止に至った有害事象は11%に認められた。
・ベースラインおよび治療中に血液検体を採取した患者において、循環遊離DNAで測定される分子学的奏効率は67%であった。

(ケアネット)