高レベルのMET肺がんにおけるcapmatinib(GEOMETRY-MONO1)/ASCO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/26

 

 MET-TKI capmatinibは、METexon14スキッピングを有する非小細胞肺がん(NSCLC)への有効性が示されており、FDAでも認可されている。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、MET増幅NSCLCについての、第II相GEOMETRY Mono-1試験の結果が発表された。

・対象:
[コホート1a]Stage IIIB/IVの既治療の高度(遺伝子コピー数、GCN10以上)MET増幅NSCLC
[コホート5a]治療の高度MET増幅(同上)NSCLC
・介入:capmatinib 400mg×2/日
・評価項目:
「主要評価項目]盲検独立審査委員会(BIRC)評価の全奏効率(ORR)
[副次評価項目]BIRC評価の奏効期間(DoR)、BIRCおよび治験担当医評価の病勢制御率(DCR)、治験担当医評価のORR、治験担当医評価のDoR、BIRCおよび治験担当医評価の無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、BIRCおよび治験担当医評価の奏効までの期間、安全性、薬物動態

 主な結果は以下のとおり。

・2020年1月6日の時点で、84例が有効性について評価可能であった(コホート1 69例、コホート5a 15例)。
・年齢中央値は、コホート5aでは70歳、コホート1は61歳であった。
・両コホートの患者の約40%〜50%に3つ以上の転移部位があった。

[コホート1a]既治療コホート
・BIRC評価のORRは29%、治験担当医評価のORRは27.5%であった。
・BIRC評価のDCR71%、治験担当医評価のDCRは60.9%であった。
・BIRC評価のDoRは8.31ヵ月、治験担当医評価のDoRは6.80ヵ月であった。
・BIRC評価のPFSは4.07ヵ月、治験担当医評価のPFSは4.14ヵ月であった。
・OS中央値は10.61ヵ月であった。

[コホート5a]未治療コホート
・BIRCのORR、治験担当医評価のDCRともに40%であった。
・BIRC評価のDCR66.7%、治験担当医評価のDCRは73.3%であった。
・OS中央値は9.6ヵ月であった。
・BIRC評価のDoRは7.54ヵ月、治験担当医評価のDoRは9.66ヵ月であった
・BIRC評価のPFS4.17ヵ月、治験担当医評価のPFSは2.76ヵ月であった。
・OS中央値は9.56ヵ月であった。

・全Gradeの治療関連有害事象は85.7%、Grade3/4は37.6%。頻度の高い毒性は末梢性浮腫、悪心、嘔吐などであった。

(ケアネット 細田 雅之)