早期認知症発症のリスク因子~剖検による確認

アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)は、混在している場合が多く、それらのリスク因子を明確にすることは難しい。米国・テキサス大学サウスウエスタン医療センターのJeff Schaffert氏らは、剖検で確認されたAD、DLB、ADとDLBの混合型(AD+DLB)における認知症発症のリスク因子について検討を行った。Alzheimer's & Dementia誌2020年3月号の報告。
剖検で確認されたAD(647例)、AD+DLB(221例)、DLB(63例)における早期認知症発症の6つのリスク因子について、National Alzheimer's Coordinating Centerのデータを用いた多重線形回帰分析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・ADおよびAD+DLBでは、男性およびアポリポ蛋白E(APOE)ε4対立遺伝子は2~3年の早期発症を予測し、うつ病は3年の早期発症を予測した。
・DLBでは、高等教育は早期発症を予測し、うつ病は5.5年の早期発症を予測した。
著者らは「男性およびAPOE ε4対立遺伝子は、ADの早期発症リスクを上昇させるが、DLBの早期発症リスクには影響を及ぼさなかった。うつ病は、AD、DLB、AD+DLBの早期発症リスクを上昇させるが、その経過、治療、重症度を評価するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。
(鷹野 敦夫)
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