T790M陽性肺がんのオシメルチニブ治療、日本の実臨床データ/日本臨床腫瘍学会

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 EGFR T790M変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブの市販後調査の一環として行われた全例調査の最終結果を、神奈川県立がんセンター加藤晃史氏らが第17回日本臨床腫瘍学会学術集会で発表。3,000例を超えるわが国のT790M変異NSCLCに対するオシメルチニブ治療の実臨床データが示された。

 対象は2次治療以降にオシメルチニブの治療を受けた切除不能・再発EGFR T790M変異NSCLC患者。予定のサンプルサイズは3,000例、追跡期間は12ヵ月であった。また、医薬品リスク管理計画による安全性検討事項として、間質性肺疾患(ILD)関連イベント、QT間隔延長、肝障害、血液毒性などが評価された。

 主な結果は以下のとおり。

・2016年3月28日~2018年8月31日に3,629例が登録された。
・全Gradeの副作用現率は58.1%(安全性解析対象3,578例中2,079例)、頻度の高い項目は下痢(10.9%)、爪囲炎(10.3%)、皮疹(8.5%)などであった。
・安全性検討事項では、ILDの発症は全Gradeで6.8%(Grade3以上2.9%)、QT延長は全Gradeで1.3%(Grade3以上0.1%)、肝疾患は全Gradeで5.9%(Grade3以上1.0%)、血液毒性は全Gradeで11.4%(Grade3以上2.9%)などであった。
・奏効率69.9%、病勢コントロール率は86.7%であった(CR:119例、PR:2,373例、SD:598例)。
・無増悪生存期間(PFS)中央値は12.3ヵ月、12ヵ月PFS率は53.2%であった。
・年齢(75歳未満、75歳以上)、PS(1~2、3~4)、EGFR遺伝子変異(Exon19 del、L858R)、脳転移(無、無症候性、症候)、胸水の有無によらず有効性が確認された。

 ILD発症後のオシメルチニブの投与実態※
・ILDの発症は245例、そのうちオシメルチニブの再投与を受けた39例中37例が回復(初回ILDの転帰)。
・上記39例中ILDの再発は7例、そのうちオシメルチニブの再々投与を受けた3例中3例とも回復(2回目のILD)。

 加藤氏らは、この全例調査の結果は、EGFR T790M変異陽性NSCLC患者に対するオシメルチニブの確立した評価を支持するものであったと結論付けた。

※間質性肺疾患の異常が認められた場合は投与を中止するよう、添付文書で定められている。

(ケアネット 細田 雅之)

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