統合失調症の再入院に対する個別作業療法の効果~2年間のプロスペクティブコホート研究

提供元:
ケアネット

統合失調症の再入院に対する個別作業療法の効果~2年間のプロスペクティブコホート研究のイメージ

 信州大学の島田 岳氏らは、統合失調症患者の再入院に対する個別作業療法(IOT)の効果を、集団作業療法(GOT)との比較により検討した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年5月11日号の報告。

 精神科病院から1年以内に退院した統合失調症患者を対象とし、プロスペクティブコホート研究を実施した。GOT+IOT群およびGOT単独群における再入院までの期間は、カプランマイヤー分析を用いて評価した。再入院に関連する人口統計学的および臨床学的因子の影響は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・基準を満たしていた患者は、111例(GOT+IOT群:54例、GOT単独群:57例)であった。
・退院から2年間での再入院患者数は、全体で56例(51.376%)であった。その内訳は、GOT+IOT群で16例、GOT単独群で40例であり、GOT+IOT群の再入院率は、有意に低かった。
・再入院までの期間は、GOT単独群と比較し、GOT+IOT群で有意に長かった(p<0.001)。
・多変量Cox比例ハザードモデルで、再入院と有意な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。
●作業療法のタイプ(HR:0.543)
●服薬アドヒアランス(HR:0.343)
●在宅支援者へのアクセス(HR:0.450)
●退院時の実行機能(HR:0.740)

 著者らは「統合失調症患者の再入院リスクの軽減には、退院時の良好な認知機能や服薬アドヒアランスに加えて、GOT単独療法と比較し、IOT併用の長期的な好影響が支持された」としている。

(鷹野 敦夫)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ