日本人統合失調症患者に対する個別作業療法の多施設ランダム化比較試験

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日本人統合失調症患者に対する個別作業療法の多施設ランダム化比較試験のイメージ

 個別作業療法(IOT:individualized occupational therapy)プログラムは、急性期統合失調症入院患者の積極的な治療参加を促進し、認知機能やその他のアウトカムを改善するために開発された心理社会的プログラムである。このプログラムは、動機付け面接、自己モニタリング、個別訪問、手工芸活動、個別心理教育、退院計画で構成されている。信州大学のTakeshi Shimada氏らは、日本の精神科病院に最近入院した統合失調症患者のアウトカムに対する、集団作業療法(GOT:group occupational therapy)プログラムにIOTを追加した際の効果について、多施設オープンラベル盲検エンドポイントランダム化比較試験を実施し、検討を行った。PLOS ONE誌2018年4月5日号の報告。

 統合失調症患者は、GOT+IOT群またはGOT単独群にランダムに割り付けられた。ランダム化された136例中129例がintent-to-treat(ITT)集団に含まれた。その内訳は、GOT+IOT群66例、GOT単独群63例であった。アウトカムは、ベースライン時および退院時または入院3ヵ月後に評価した。評価項目は、統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)、統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J)、社会的機能尺度日本語版、機能の全体的評定尺度(GAF)、内発的動機付け尺度日本語版(IMI-J)、服薬アドヒアランス尺度(MMAS-8)、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、患者満足度アンケート-8日本語版(CSQ-8J)とした。

 主な結果は以下のとおり。

・線形混合効果モデルによると、GOT単独群と比較し、GOT+IOT群で有意な効果が認められた項目は、以下であった。
 ●言語記憶(BACS-J)p<0.01
 ●作業記憶(BACS-J)p=0.02
 ●言語流暢性(BACS-J)p<0.01
 ●注意(BACS-J)p<0.01
 ●複合スコア(BACS-J)p<0.01
 ●興味/楽しみ(IMI-J)p<0.01
 ●価値/有用性(IMI-J)p<0.01
 ●知覚選択(IMI-J)p<0.01
 ●IMI-J総スコア p<0.01
 ●MMAS-8スコア p<0.01
・GOT+IOT群は、GOT単独群と比較し、CSQ-8Jの有意な改善が認められた(p<0.01)。

 著者らは「今回の結果より、IOTプログラムは、統合失調症患者の認知機能およびその他のアウトカムを改善するために有用であり、実施可能である」としている。

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(鷹野 敦夫)

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