日本におけるレビー小体型認知症の診断、治療に関する調査 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/28 レビー小体型認知症(DLB)は、認知症患者の行動と心理症状(BPSD)を伴う進行性の認知症である。横浜市立大学の小田原 俊成氏らは、日本におけるDLB治療に関して、現在の臨床診断の状況調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2019年2月5日号の報告。 日本で認知症臨床に携わっている医師を対象に調査を行った。対象医師は、精神科医(P群)と神経内科・脳神経外科医(NS群)の2群に分けられた。DLBの診断と治療、とくにBPSD治療に関するアンケートを実施し、両群間の比較分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・P群は、NS群と比較し、バイオマーカーによる検査頻度が低く、自分自身の治療戦略を決定する頻度が高かった。 ・両群において、最も治療優先順位の高い症状は、幻覚もしくは妄想であった。 ・両群において、回答者の70%以上が、BPSDの治療に難渋していた。 ・非定型抗精神病薬は、P群においてより頻繁に使用されていたが、NS群でも70%の患者に使用されていた。 ・非定型抗精神病薬の使用が1年以上に上る患者は、3分の1を占めていた。 著者らは「本調査は、DLB患者のマネジメントをするうえで臨床医が直面する問題を浮き彫りにし、DLB患者のBPSDを効果的に治療する必要性を明らかにした」としている。 ■関連記事 認知症のBPSDに対する治療の有効性・安全性比較~メタ解析 日本における向精神薬使用とBPSDとの関連は:北大 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Odawara T, et al. Psychogeriatrics. 2019 Feb 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 レビー小体型認知症とアルツハイマー病における生存率の違い~メタ解析 医療一般(2019/02/18) レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向 医療一般(2015/01/14) レビー小体型認知症の初期症状の特徴 医療一般(2022/12/14) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24)