日本における向精神薬使用とBPSDとの関連は:北大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/09/26 日本の長期ケア施設において、向精神薬使用が、BPSDの有病率、症状の回数、重症度、BPSD高齢者のケア負担と関連しているかを、北海道大学の尾崎 孝爾氏らが調査を行った。Aging & mental health誌オンライン版2016年9月1日号の報告。 長期ケア施設10施設のケアスタッフによるアンケートを用いて、認知症または類似症状の高齢者312例の横断調査を行った。NPIのアンケート版NPI-Brief Questionnaire Form(NPI-Q)を用いてBPSDを評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・向精神薬は、全対象者の45%、BPSD既往患者の47.5%で使用されていた。 ・向精神薬使用は、BPSDの症状の回数、重症度、ケア負担の多さと関連していた。 ・妄想、不安、脱抑制など特定のBPSD症状を有する患者では、そうでない患者と比較し、向精神薬使用がより多かった。 著者らは「認知症または類似症状を有する長期ケア施設の日本人高齢者に対する向精神薬使用は、他国のこれまでの報告と比較し、相対的に低かった。それにもかかわらず、BPSDの症状の回数、重症度、ケア負担は、向精神薬使用と関連していた」としている。 関連医療ニュース 各認知症の重症度とBPSD:大阪大 BPSDへの対応、どうすべきか 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Ozaki T, et al. Aging Ment Health. 2016 Sep 1:1-8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 「阿部式BPSDスコア」は軽度~中等度の認知症のBPSD評価に有用:岡山大 医療一般 日本発エビデンス(2015/04/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性期脳梗塞、再灌流後のアルテプラーゼ投与は有益?/JAMA(2025/10/23) 世界の死亡パターン、過去30年の傾向と特徴/Lancet(2025/10/23) 心筋梗塞の非責任病変は結局どうしたら良いのか?(解説:山地杏平氏)(2025/10/23) PSMA陽性mHSPC、177Lu-PSMA-617追加でrPFS改善(PSMAddition)/ESMO2025(2025/10/23) ALK陽性非小細胞肺がんにおけるアレクチニブ後ブリグチニブの有効性/ESMO2025(2025/10/23) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がんの1次治療、SGがPFS延長(ASCENT-03)/ESMO2025(2025/10/23) 蕁麻疹に外用薬は非推奨、再確認したい治療の3ステップ(2025/10/23) 初発統合失調症における性特異的プロラクチン異常と性腺ホルモンとの関連(2025/10/23) すでに承認されている経口薬が1型糖尿病の進行を抑制(2025/10/23) [ あわせて読みたい ] 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29)