うつ病に対するアリピプラゾール増強療法の実臨床における有効性と安全性

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うつ病に対するアリピプラゾール増強療法の実臨床における有効性と安全性のイメージ

 増強療法は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の適切な用量で十分な治療反応を有するうつ病患者に対する治療選択肢であるが、日々の実臨床における適用についてはあまり知られていない。昭和大学の上島 国利氏らは、実臨床において、従来の抗うつ薬治療で効果不十分な日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール増強療法の有効性および安全性について、プロスペクティブ多施設観察研究を実施した。Current medical research and opinion誌オンライン版2018年9月12日号の報告。

 主要評価項目は、ベースラインから試験終了までのMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)日本語版の総スコア平均変化量とした。有害事象のモニタリングにより、安全性を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・安全性評価対象患者は1,103例、有効性評価対象患者は1,090例であった。
・試験終了時のMADRS総スコアの平均変化量は、-14.9±12.3であった(ベースライン比較:p<0.001)。
・寛解率は、6ヵ月目の34.5%から12ヵ月目の43.3%に上昇し、継続治療のさらなる有効性が示唆された。
・アリピプラゾール増強療法の有効性には、主要な抗うつ薬(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、エスシタロプラム)のタイプによる変化が認められなかった。
・寛解達成の可能性を高める要因は、ベースライン時のMADRS総スコア33ポイント未満、うつ病エピソードからアリピプラゾール治療開始までの期間176日未満であった。
・1つ以上の有害事象を経験した患者の割合は24.8%であったが、新たな安全性の問題は検出されなかった。

 著者らは「寛解達成に関連する要因を考慮すると、実臨床での、うつ病または抑うつ症状を有する日本人患者に対するアリピプラゾール増強療法は、有効かつ安全であると考えられる」としている。

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(鷹野 敦夫)

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