TAVR vs.SAVR、術後の右室機能低下と予後への影響【Dr.河田pick up】

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 開心術後の右室機能の低下はこれまでにも報告されており、心肺バイパスに伴う虚血や心筋機能低下が関連すると考えられている。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の治療成績を比較したPARTNER 2A試験の患者群において、SAVRが右室機能の低化と関連するか、右室機能の低化が死亡率と関連するかが検討された。米国クリーブランド・クリニックのPaul C. Cremer氏らによるEuropean Heart Journal誌オンライン版2018年7月21日号掲載の報告。

PARTNER 2A試験から1,376例を抽出
 PARTNER 2A試験は、重症の大動脈弁狭窄症患者2,032例をTAVR(Edwards Sapien XT valve)群とSAVR群に無作為に割り付けて行われ、STSスコアで予想される30日後の死亡率が、すべての患者で少なくとも4.0%であった。今回の研究では、PARTNER 2A試験からベースラインと30日後に心エコーが行われた1,376例が抽出され、また、右室機能の低下は30日後の心エコーでベースラインから1段階以上低化した場合と定義された。

右室機能の低化はSAVR群で有意に多い
 主要評価項目は30日後から2年までの全死亡率。TAVR群での744例中62例(8.3%)に対し、SAVR群では632例中156例(24.7%)で右室機能が低化していた(p<0.0001)。多変量モデルでは、SAVR(オッズ比[OR]:4.05、95%信頼区間[CI]:2.55~6.44)、右室の拡大(OR:2.38、95%CI:1.37~4.14)、そして軽度以上の三尖弁逆流(TR)(OR:2.58、95%CI:1.25~5.33)が右室機能の低下と関連していた。169例の死亡があり、右室機能が低化した患者は全死亡率が高かった(ハザード比[HR]:1.98、95%CI:1.40~2.79)。臨床や心エコーの所見で調整後も、右室機能の低化は全死亡率と関連していた。右室機能が低化した患者において、SAVR群とTAVR群で死亡率に違いはみられなかった(HR:1.16、95%CI:0.61~2.18)。ベースラインで右室機能が正常であるにもかかわらず、中等度から重症のTRを発症した患者の予後が最も悪かった(HR:2.87、95% CI:1.40~5.89)。

右室機能の低下の程度が予後と関連
 大動脈弁置換術後、右室機能の低下はベースラインで右室が拡大している患者、TRが中等度以上、SAVRを受けた患者でより多く認められた。そのため、右室機能の低化の程度は予後に影響を与える重要な要素であったと結論付けられている。

(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)

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