オランザピンおよびリスペリドンの体重増加に関するメタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/05/14 体重増加が抗精神病薬の投与と関連していることは、メタ解析と同様に、単一研究から報告された多くのデータにより示されている。しかし、抗精神病薬誘発性の体重増加に、潜在的な性差が認められるかについては、検討されていない。スイス・ベルン大学精神医学病院のG. Schoretsanitis氏らは、女性患者の場合、有害な薬物反応に対する感受性が高いため、男性と比較し、体重が増加しやすいのではないかとの仮説について検討を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年3月30日号の報告。 抗精神病薬による臨床試験の中で、体重変化について男女別に報告している研究を対象に、メタ解析を実施した。抗精神病薬の使用期間により、6週間未満、6~16週間、16~38週間、38週超の4つのカテゴリに分類した。男女別にフォレストプロットを作成し、抗精神病薬の使用期間で層別化を行った。性差は、メタ回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・本検討の分析には、26件の研究より、オランザピン、リスペリドン、未治療群の利用可能なデータを使用した。 ・オランザピンあるいはリスペリドンへの切り替えまたは使用開始の後に、男女とも著しい体重増加を来したが、メタ回帰分析においては性差が認められなかった。 著者らは「抗精神病薬誘発性の体重増加における性差に関して、現在のメタ解析では、性別の特異的なパターンの検出が妨げられている。慢性期患者に対する、短期または中期的な治療でのオランザピンまたはリスペリドンへの切り替えでは、男女ともに体重増加が認められたが、有意な性差は報告されなかった」としている。 ■関連記事 オランザピン誘発性体重増加のメカニズム 抗精神病薬の体重増加リスクランキング 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Schoretsanitis G, et al. Acta Psychiatr Scand. 2018 Mar 30. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 オランザピン服用患者の一部で認められる糖尿病などの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 疫学(予後) 日本発エビデンス(2013/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 閉塞性肥大型心筋症、aficamtenが有効/NEJM(2025/09/16) ベルイシグアトは広範なHFrEF患者に有効~2つの第III相試験の統合解析/Lancet(2025/09/16) アルツハイマー病予防に対するリチウム補充の可能性/Nature(2025/09/16) 再発・難治性多発性骨髄腫への新たな二重特異性抗体トアルクエタマブのベネフィット、隔週投与も可能/J&J(2025/09/16) 小細胞肺がん1次治療の維持療法、タルラタマブ上乗せで1年OS率82%(DeLLphi-303)/WCLC2025(2025/09/16) 抗アレルギー点鼻薬がコロナ感染リスクを低減(2025/09/16) 先進医療技術の普及により1型糖尿病患者の血糖管理が大きく改善(2025/09/16) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)