慢性不眠症患者におけるバイオレットオイルの有効性に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/20 バイオレットオイルは、昔ながらのイランの診療所において、不眠症を治療するため広く用いられてきた古典的なハーブ薬である。バイオレットオイルは、アーモンドまたはゴマ油をベースとするニオイスミレ(Viola odorata)の抽出物であり、点鼻薬として用いられる。イラン・マシュハド医科大学のZohre Feyzabadi氏らは、不眠症治療におけるバイオレットオイルの有効性を評価するため、検討を行った。Journal of ethnopharmacology誌2018年3月25日号の報告。 本研究は、3アーム二重盲検ランダム化比較試験として実施された。慢性不眠症患者75例を対象に、イラン・マシュハド医科大学の昔ながらの診療所において3群にランダムに割り付けられた。バイオレットオイル、アーモンドオイル、プラセボ(カルボキシメチルセルロースの1%液)のいずれかを、就寝前に鼻腔内投与(3滴)を30日間行った。すべての患者に対し、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)および不眠症重症度質問票(ISI)による評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・介入前、3群間に有意な差は認められなかった(p>0.05)。 ・介入後、ISIスコア(p<0.002)およびPSQIスコア(p<0.001)において、3群間に有意な差が認められた。 ・治療前後のデータを比較すると、ISIスコアおよびPSQIスコアは、バイオレットオイル、アーモンドオイル、プラセボの3群すべてにおいて、有意な改善が認められた(各々p<0.001)。 ・3群間において、バイオレットオイルが、最も効果的であることが認められた。 ・睡眠量よりも睡眠の質において、より効果的であった。 著者らは「不眠症患者に対する睡眠の質への改善効果を考慮すると、天然およびハーブ薬であるバイオレットオイルは、重大な副作用を伴うことなく不眠症治療に用いることができる」としている。 ■関連記事 不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは 音楽療法が不眠症に有用 チェリージュースによる不眠症治療とそのメカニズムを研究するためのパイロット研究 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Feyzabadi Z, et al. J Ethnopharmacol. 2018;214:22-28. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳内出血24時間以内の低侵襲血腫除去術、180日アウトカム良好/NEJM(2024/04/18) 早期パーキンソン病へのGLP-1受容体作動薬、進行抑制効果を確認/NEJM(2024/04/18) 低リスク子宮頸がん、単純子宮全摘は広汎子宮全摘と比較し3年以内の骨盤再発率について非劣性(解説:前田裕斗氏)(2024/04/18) 喫煙と乳がんリスク~日本の9研究のプール解析(2024/04/18) がん関連DVTに対するエドキサバン長期投与のネットクリニカルベネフィット、サブグループ解析(ONCO DVT)/日本循環器学会(2024/04/18) 新型のリブレ2はスキャン不要で1分ごとに測定/アボットジャパン(2024/04/18) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法の有用性(2024/04/18) プライマリケア提供者の不足は緊急手術の増加を招く(2024/04/18) ピロリ菌の除菌治療の失敗は虫歯と関連(2024/04/18) [ あわせて読みたい ] 安すぎる名著【Dr.倉原の“俺の本棚”】第4回(2018/04/10) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3(2018/04/07) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1(2018/04/07) わが青春の研修医マンガ【Dr.倉原の“俺の本棚”】第3回(2018/03/13) 志水太郎の診断戦略エッセンス (2018/03/07) 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第2回(2018/02/13) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07)