dacomitinibのEGFR変異肺がん1次治療、FDAとEMAが申請受理

提供元:ケアネット

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公開日:2018/04/16

 

 ファイザー社は2018年4月4日、米国食品医薬品局(FDA)が、EGFR変異陽性局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療に対する汎ヒト上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)dacomitinibの新薬申請を受け入れ、優先審査の対象としたと発表。また、欧州医薬品庁(EMA)は、同じ適応症でdacomitinibのマーケティング認可申請を受け入れた。

 この申請は、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療で、dacomitinibとゲフィチニブを比較した第III相ARCHER1050試験の結果に基づく。この試験で、盲検独立中央委員会(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS)中央値は、ゲフィチニブの9.2ヵ月に対し、dacomitinibでは14.7ヵ月であった(HR:0.59、95%CI:0.47~0.74、p<0.0001)。

 ARCHER1050試験において、dacomitinibで観察された有害事象(AE)は、以前の試験からの所見と一致していた。多くみられたAEは、下痢(87%)、爪周囲炎(62%)、皮疹/ざ創様皮膚炎(49%)、口内炎(44%)であった。Grade3のAEでは、発疹(14%)および下痢(8%)が多かった。Grade4のAEは、dacomitinib治療患者の2%で発生した。Grade5では、下痢1例と肝疾患が1例が認められた。治療関連AEによる中断率は、ゲフィチニブでは7%、dacomitinibでは10%であった。

 ARCHER1050試験の結果は、2017年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会では発表され、Lancet Oncologyに掲載された。全生存期間の最終評価は、今年の後半に医学学会で発表される予定。

■参考
ARCHER1050試験(Clinical Trials.gov)
ARCHER1050試験(Wu YL, et .al Lancet Oncol. 2017;18:1454-1466.)

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(ケアネット 細田 雅之)