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進行がん患者では、除脂肪体重を主体とする体重減少と食欲不振といった形で表れる悪液質がよくみられる。悪液質を有する日本のがん患者において、新たな選択的グレリン受容体アゴニストであるanamorelin(ONO-7643)の有効性と安全性を検討したONO-7643-04試験の結果が、先端医療センター研究所 片上 信之氏らによりCancer誌に発表された。
ONO-7643-04試験は、日本人の悪液質合併非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し、anamorelinとプラセボを比較した無作為化二重盲検試験。
・対象患者:Stge III~IV NSCLC患者174例
・試験薬:アナモレリン(100mg)12週間連日経口投与
・対象薬:プラセボ12週間連日投与
・評価項目:主要評価項目は除脂肪体重のベースラインから変化。副次評価項目は、食欲、体重、QOL、握力、6分間歩行の変化
主な結果
・除脂肪体重のベースラインからの最小二乗平均変化は、anamorelin群1.38±0.18、プラセボ群-0.17±0.17kgであった(p<0.0001)。
・除脂肪体重、体重、食欲不振症状のベースラインからの変化はすべての時点で、2群間で有意な差を示した。
・anamorelin群は、3週目および9週目にプレアルブミンが増加した。
・2群間で握力または6分間歩行の変化はみられなかった。
・12週のanamorelin治療は忍容性が良好であった。
anamorelinは、日本人の進行NSCLC患者の除脂肪体重を有意に増加させ、食欲不振症状および栄養状態を改善したが、運動機能は改善しなかった。現在、悪液質悪液質に対する有効な治療法はないため、anamorelinは有効な治療法となり得るとしている。
(ケアネット 細田 雅之)
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