うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは

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 うつ病に対する抗うつ薬使用は、汎用されている治療にもかかわらず、大うつ病患者の約3分の1には十分な効果を発揮しない。オーストリア・ウィーン大学のAlexander Kautzky氏らは、治療アウトカムのための臨床的、社会的、心理社会学的な48の予測因子による新たな洞察を、治療抵抗性の研究グループのデータと機械学習を利用し、検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年1月3日号の報告。

 患者は、2000年1月より登録され、DSM-IVに従って診断した。治療抵抗性うつ病は、2種類以上の抗うつ薬による十分な投与量と期間で治療を行った後、ハミルトンうつ病評価尺度(17項目:HDRS)スコアが17以上とした。寛解は、HDRSスコア8未満とした。ランダムフォレストを用いたステップワイズ法を行い、治療アウトカムの分類に最適な数を見出した。重要値が生成された後、400例の患者サンプルで寛解と治療抵抗性の予測を実施した。予測のために、サンプル外の80例を使用し、レシーバの動作特性を計算した。

 主な結果は以下のとおり。

・治療アウトカムのもっとも有益な予測因子として、以下が挙げられる。
 ●最初と最後のうつ病エピソードの間隔
 ●最初のうつ病エピソードの年齢
 ●最初の抗うつ薬治療に対するレスポンス
 ●重症度
 ●自殺念慮
 ●メランコリー
 ●生涯うつ病エピソード数
 ●患者のアドミタンスタイプ
 ●教育
 ●職業
 ●糖尿病の併存
 ●パニック症
 ●甲状腺疾患
・単一予測因子は、ランダム予測と異なる予測精度に達しなかったが、すべての予測変数を組み合わせることにより、治療抵抗性を0.737の精度で検出し、寛解を0.850の精度で検出できた。
・その結果、治療抵抗性うつ病の65.5%、寛解の77.7%を正確に予測できた。

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(鷹野 敦夫)

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