陰性症状に対するボディサイコセラピー、男女間で効果が異なる 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/22 ボディサイコセラピーは、統合失調症の陰性症状に対し有効な治療法であることを示唆する研究が、小規模ではあるものの有望な発見として報告されている。しかし、これらの結果は、最近のマルチサイト試験では見出されなかった。これは、以前の研究と比較し、女性の割合が非常に少なく、統合失調症における試験結果に影響を及ぼすことがわかっている性別混合が問題となっている可能性がある。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMark Savill氏らは、マルチサイト試験のデータについて2次分析を行った。Psychiatry research誌2017年1月号の報告。 マルチサイト試験のデータを用いて、ボディサイコセラピー群またはピラティス群に無作為に割り付けられた275例(男性203例、女性72例)について、結果の予測因子としての性別と治療の相互作用を調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・女性においては、ボディサイコセラピー群はピラティス群と比較し、陰性症状の有意な減少が認められたが、男性では認められなかった。 ・小規模研究の結果と一致し、陰性症状の改善は、表現の欠乏と関連していた。 著者らは「これらの知見は、ボディサイコセラピーが女性の陰性症状に対し有効な治療法であることを示唆している」とし、「心理学的治療研究における試験結果を決定する際には、サンプリング特性が重要である」としている。 関連医療ニュース 統合失調症、男と女で妄想内容は異なる 閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用 統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Savill M, et al. Psychiatry Res. 2017;247:73-78. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 陰性症状に対する最新レビュー、有効性が確認されている治療は 医療一般(2017/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 妊娠前/妊娠初期のGLP-1作動薬中止、妊娠転帰と体重変化は?/JAMA(2025/12/19) 血友病Bに対する遺伝子治療、第III相試験の最終解析/NEJM(2025/12/19) メチシリン感性黄色ブドウ球菌菌血症に対するクロキサシリンとセファゾリンの比較(CloCeBa試験)(解説:寺田教彦氏)(2025/12/19) 『肝細胞癌診療ガイドライン』改訂――エビデンス重視の作成方針、コーヒー・飲酒やMASLD予防のスタチン投与に関する推奨も(2025/12/19) ER+低リスクDCIS、手術せず内分泌療法単独での有用性を検証(LORETTA)/SABCS2025(2025/12/19) 肺がん治療における経済的視点/治療医に求められる役割(2025/12/19) スタチン使用は本当にうつ病リスクを低下させるのか?(2025/12/19) 危険なOTCが国内流通か、海外での規制や死亡例は(2025/12/19) 「TAVI弁展開後における弁尖可動不良事象に関するステートメント」公表/THT協議会(2025/12/19) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)