非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/12/04 先行研究で、小胞体の4つのタンパク質複合体(ステロール調節配列結合タンパク[SREBP]、SREBP-cleavage-activating protein[SCAP]、インスリン誘導遺伝子[INSIG]、プロゲステロン受容体膜成分-1[PGRMC1])が、非定型抗精神病薬による脂質異常の重要な調節因子であることが示唆されている。今回、中国・中南大学湘雅二医院のHua-Lin Cai氏らは、ラットの肝臓を用い、定型および非定型抗精神病薬ならびにグルココルチコイド受容体拮抗薬mifepristoneの、PGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路に対する作用および脂質への影響を調べた。その結果、非定型抗精神病薬による脂質異常は、体重増加が出現する前の初期段階で生じる可能性があることが示唆されたという。結果を踏まえ、著者らは「非定型抗精神病薬による脂質異常は、PGRMC1経路を増強するmifepristoneの追加投与により改善できる可能性があることを示すもので、PGRMC1/INSIG-2シグナル伝達が非定型抗精神病薬による体重増加治療のターゲットになりうる」と報告している。Translational Psychiatry誌2015年10月20日号の掲載報告。 研究グループは、ラットに各種薬剤を投与し、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)と、ウエスタンブロット解析を用いて肝臓のPGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路への作用を調べるとともに、血清中のトリアシルグリセロール、総コレステロール、遊離脂肪酸および各種ホルモン(プロゲステロン、コルチコステロン、インスリン)も同時に測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・クロザピン、リスペリドンを投与したラットでは、PGRMC1/INSIG-2の阻害およびSCAP/SREBP発現の活性化を介した脂質生成およびコレステロール生成の増加を認めた。 ・これらの代謝異常は、アリピプラゾール、ハロペリドールを投与したラットでは認められなかった。 ・mifepristoneの併用投与は、PGRMC1/INSIG-2発現の上方制御とそれに続くSCAP/SREBPの下方制御を介して、非定型抗精神病薬により誘発された脂質異常を改善する効果を示した。 関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 どのような精神疾患患者でメタボリスクが高いのか 抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Cai HL, et al. Transl Psychiatry. 2015;5:e661. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 非定型抗精神病薬治療に対する精神科医と精神科薬剤師の考え方 医療一般 (2019/07/18) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肝線維症、40歳以上の有病率と主な要因/Lancet(2026/04/24) 血栓後症候群、血管内治療が症状およびQOLを有意に改善/NEJM(2026/04/24) 在宅医療・介護の場で見逃してはいけない骨粗鬆症/日本シグマックス(2026/04/24) 双極症患者の食事の質、うつ病患者や健康対照者との違いは?(2026/04/24) がん患者、24時間以内の死亡予測は可能か(2026/04/24) 加齢観が健康改善に関連、高齢者の約半数で機能向上(2026/04/24) GLP-1受容体作動薬、減量後は注射頻度減でも体重維持の可能性(2026/04/24) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)