双極症患者は、心血管疾患を発症するリスクが高いことが知られている。欧米型の食生活は、双極症患者における心血管疾患リスクを上昇させるという仮説が立てられている。しかし、双極症患者における食習慣については、これまで十分に研究されていなかった。オランダ・Leiden University Medical CentreのMirjam A. Riedinger氏らは、双極症患者、単極性うつ病患者、寛解期の単極性うつ病患者、健康対照者における食事の質を評価するため、大規模コホートによる検討を行った。Bipolar Disorders誌2026年5月号の報告。
オランダうつ病不安研究(NESDA)から合計1,358例を対象に実施した。参加者の分類は、双極症患者(100例、男性の割合:48.0%、平均年齢:50.9歳)、単極性うつ病患者(199例、男性の割合:28.0%、平均年齢:52.4歳)、寛解期の単極性うつ病患者(722例、男性の割合:29.8%、平均年齢:52.4歳)、健康対照者(337例、男性の割合:40.7%、平均年齢:51.2歳)。食事の評価は、238項目の食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて、「地中海食スコア」(MDS)を算出した。食事スコアは、社会人口統計学的因子、身体活動、喫煙を調整した多変量回帰分析を用いて比較した。
主な結果は以下のとおり。
・双極症患者は、寛解期の単極性うつ病患者および健康対照者と比較し、MDSが有意に低かった(各々、p=0.01、p=0.02)。しかし、単極性うつ病患者との差は認められなかった。
・エフェクトサイズは、双極症患者と寛解期の単極性うつ病患者で0.24、双極症患者と健康対照者で0.25であった。
・さらに、双極症患者は健康対照者と比較し、平均ウエスト周囲径(p=0.03)およびBMI(p=0.02)が有意に高かった。
著者らは「双極症患者の平均的な食事の質は、寛解期の単極性うつ病患者および健康対照者と比較して低かった。このことが、双極症患者にみられるウエスト周囲径の増加およびBMIの上昇、そしてそれに伴う健康への悪影響の一因となっている可能性がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)