認知症患者の精神症状に対し、抗不安薬の使用は有用か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/22 認知症患者の神経精神症状や機能レベルに対する入院および向精神薬の影響について、フィンランド・タンペレ大学のHanna-Mari Alanen氏らが調査を行った。その結果、認知症患者の神経精神症状に対する抗不安薬の使用を支持しない結果が得られたことを報告した。Dementia and geriatric cognitive disorders誌オンライン版2015年9月4日号の報告。 89例の認知症患者を対象とし、行動障害、認知機能、機能状態を、Neuropsychiatric Inventory(NPI)、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Barthel Index、Alzheimer's Disease Cooperative Study-Activities of Daily Living(ADCSADL)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・入院中(平均44日)に、NPI総スコアは34.6から19.5(p<0.001)、ADLは32.2から21.7(p<0.001)へそれぞれ低下した。 ・ADLの変化は、抗不安薬の影響のみが有意であった(p=0.045)。 ・NPIの変化と抗精神病薬、抗不安薬の投与量は、MMSEスコアを共変量とした場合、有意な関連は認められなかった。 ・抗精神病薬や抗不安薬の使用により、入院中の精神症状は改善したが、抗不安薬による患者の機能低下は重大であった。 関連医療ニュース 非定型抗精神病薬は認知症に有効なのか 認知症治療、薬物療法にどの程度期待してよいのか 長期ベンゾジアゼピン使用は認知症発症に影響するか 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Alanen HM, et al. Dement Geriatr Cogn Disord. 2015;40:290-296. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)