性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大

提供元:ケアネット

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公開日:2015/08/20

 

 不眠症状、日中の眠気、短い睡眠時間、あるいは睡眠覚醒スケジュール後退などの睡眠関連障害は、うつ病のリスクファクターとなることが知られている。一般的に、うつ病は男性より女性に多いが、睡眠関連障害については必ずしも同様の性差が示されるわけではない。うつ病の発症過程における睡眠関連障害の影響には性差があると考えられるが、この問題に注目した研究はこれまでほとんどなかった。東京医科大学の守田 優子氏らは、睡眠関連障害を有する日本人若年成人のうつ病発症に及ぼす性差について検討を行った。その結果、睡眠関連障害がうつ病発症に及ぼす影響には性差が認められ、女性では睡眠覚醒スケジュール後退の影響が大きいことを報告した。結果を踏まえて著者らは「睡眠関連障害に起因するうつ症状の軽減・予防には性別に基づくアプローチが必要である」と指摘している。Chronobiology International誌2015年8月号の掲載報告。

 研究グループは、上記の睡眠関連障害を有する日本人若年成人のうつ病発症率の性差を明らかにし、うつ病関連因子における性差について検討した。被験者2,502例(男女比は1,144対1,358、年齢範囲:19~25歳)を対象に、人口統計学的変数、睡眠関連変数(就寝時間、起床時間、睡眠潜時、入眠困難・睡眠維持困難頻度など不眠の諸症状、日中の眠気)、うつ病自己評価尺度(CES-D: Center for Epidemiologic Studies Depression)の12項目バージョンからなるwebアンケート調査を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・うつ病発症率における女性の優位性は、睡眠覚醒スケジュール後退という項目でのみ示された(χ2(1) : 15.44、p<0.001)。
・男性においては、日中の眠気(オッズ比[OR] :2.39、95%信頼区間[CI]: 1.69~3.39、p<0.001)および入眠困難(同3.50、2.29~5.35、p<0.001)がうつ病と有意に関連していた。
・女性においては、睡眠覚醒スケジュール後退(OR: 1.75、95%CI:1.28~2.39、p<0.001)、日中の眠気(同:2.13、1.60~2.85、p<0.001)、入眠困難(同:4.37、3.17~6.03、p<0.001)がうつ病と有意に関連していた。
・以上の結果は、若い世代では睡眠覚醒スケジュール後退がうつ病発症に与える影響は女性で大きく、とくに夜型の生活スタイルである場合にうつ病になりやすいこと、そして、このことは女性特有の速く短い内因性のサーカディアンリズムに起因する可能性があることを示唆するものであった。
・以上より、若年成人におけるうつ症状の軽減あるいは予防には、性別に基づいた睡眠関連障害治療アプローチが必要であることが示唆された。

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(ケアネット)