難治性うつ病発症に肥満が関連か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/05/07 肥満と大うつ病性障害(MDD)は公衆衛生上の大きな問題である。MDDは不均一な疾患であり、反復性MDD(MDD-R)と単一エピソードのMDD(MDD-S)とでは病因や予後が異なることが知られているが、肥満との関連性についてのエビデンスは不十分である。オランダ・フローニンゲン大学のYeshambel T Nigatu氏らは、一般住民を対象とした大規模観察研究において、肥満がとくにMDD-Rの発症と関連している可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「この問題を十分に評価するためにはさらなる大規模研究が必要であり、MDDに対する肥満の影響を調べる場合はMDDの不均一性を考慮すべきである」とまとめた。BMC Public Health誌オンライン版2015年4月10日号の掲載報告。 研究グループは、PREVEND研究に参加した1,094例を対象とし、ベースラインおよび平均2年の追跡期間後のデータを分析した。MDD-SとMDD-Rの評価にはComposite International Diagnostic Interview(CIDI 2.1)を使用した。肥満はBMI 30以上と定義した。肥満がMDD-S/MDD-Rを予測するか、またはその逆の予測がなされるかどうかについて、潜在的交絡因子補正後、バイナリロジスティック回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・予測分析において、ベースラインのBMIと追跡期間中のMDD-R発症の関連が示された(OR 1.32、95%信頼区間[CI]:1.11~1.57)。 ・しかし、MDD-S発症との関連は示されなかった(OR 0.98、95%CI:0.89~1.07)。 ・ベースラインの肥満は、追跡期間中のMDD-S発症と関連していなかった(OR 0.75、95%CI:0.25~0.23)。しかし、追跡期間中のMDD-R発症とは関連していた(同:11.63、1.05~128.60)。 ・2年の追跡期間中、MDD-SとMDD-Rのいずれも、追跡期間中の肥満への進展とは関連していなかった(それぞれOR 1.67、95%CI:0.64~4.29およびOR 2.32、95%CI:0.82~6.58)。 関連医療ニュース うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 少し歩くだけでもうつ病は予防できる 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Nigatu YT, et al. BMC Public Health. 2015;15:350. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 世界の疾病負担とリスク因子、1990~2023年の状況/Lancet(2025/10/27) 冠動脈バイパス術後の新規AF発症、術後30日以後はリスク低い?/JAMA(2025/10/27) 低用量アスピリンが再発予防効果を認める大腸がんのタイプが明らかになった(解説:上村 直実氏)(2025/10/27) ctDNA陽性のMIBC患者、術後アテゾリズマブ投与でDFS・OS改善(IMvigor011)/ESMO2025(2025/10/27) ALK陽性NSCLCへの術後アレクチニブ、4年OS率98.4%(ALINA)/ESMO2025(2025/10/27) 胃がん初のFGFR2b阻害薬、長期追跡では治療効果が減弱(FORTITUDE-101)/ESMO2025(2025/10/27) 寛解後の抗精神病薬減量は認知機能改善に寄与するか(2025/10/27) monarchE試験のOS結果が発表/ESMO2025(2025/10/27) アナフィラキシーへのアドレナリン点鼻投与の効果、エピペンと同等以上(2025/10/27) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24)