近年、日本では木の実(ナッツ類)アレルギーの有病率が急速に増加しており、とくに、クルミアレルギーの有病率は2014年と比較して4倍以上増加し、比較的安定しているピーナッツを上回ったという。現在、ナッツ類は日本において卵に続いて2番目に多い食物アレルギーの原因となっている1)。
国立成育医療研究センターの久保田 仁美氏らの研究チームは、日本における直近10年間に発生したナッツ類アレルギー症例の調査結果から、近年ではより少ない摂取量でアレルギー症状が出ることが判明したことを報告した。同センターは2025年11月17日にプレスリリースを出し、同内容はThe Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2026年1月号にも掲載された。
研究者らは、2013~23年の10年間に同センターの患者に対して行った1,275件のピーナッツ、カシューナッツ、クルミの経口負荷試験データを用いて、ナッツ類それぞれのED05値(アレルギー患者集団のうち、5%の人でアレルギー症状が引き起こされる量)を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・2013~23年全期間のED05値は、ピーナッツ4.88mg、カシューナッツ0.53mg、クルミ4.37mgだった。
・2013~19年と2020~23年のED05値を比較したところ、クルミは2019年以前は14.94mgだったが、2020年以降は3.26mgに大幅に減少しており、以前より少ない摂取量でアレルギーが引き起こされることがわかった。ピーナッツとカシューナッツは有意差は認められなかったものの、同様に減少傾向がみられた(ピーナッツ:8.87mg→4.12mg、カシューナッツ:4.29mg→0.66mg)。
研究チームは「ED05値の変化は、日本におけるクルミアレルギー患者の増加や、重症化などの変化が影響している可能性がある。食習慣がグローバル化する中で日本国内における食物アレルギーの原因食物も変化している。今回の調査で、ナッツ類のED05値は欧米で報告される値に近づきつつあり、食物アレルギーのリスク評価を定期的に見直す重要性が改めて認識された」としている。
(ケアネット 杉崎 真名)