軽度認知障害(MCI)は、正常な脳老化と病的な脳老化の中間段階であり、30~50%が3~5年以内に認知症へと進行するといわれている。進行リスクの高い患者を早期に特定することは、公衆衛生戦略においてきわめて重要である。イタリア・Italian National Institute of HealthのFlavia L. Lombardo氏らは、MCIからアルツハイマー病への進行リスクを評価した。Alzheimer's & Dementia誌2026年4月号の報告。
MCI患者398例を対象に、INTERCEPTORプロジェクトを実施した。社会人口統計学的、臨床的、神経心理学的、遺伝学的(アポリポタンパク質E)、脳脊髄液(アミロイドβ、タウ)、脳波(脳接続性)、MRI(海馬体積測定)、FDG-PETについて、統一された手順を用いて、ベースライン評価を行った。MCI患者351例を対象に、ベースライン調査とフォローアップ調査を実施し、3年間、6ヵ月ごとに神経心理学的検査を行った。
主な結果は以下のとおり。
・認知症を発症した患者は104例(29.6%)。そのうち85例(22.4%)はアルツハイマー型認知症の可能性が高い、または可能性のある中核的な臨床基準を満たしていた。
・臨床データと社会人口統計学的データを組み合わせたCox比例ハザードモデルでは、一致指数は72%であった。
・さらに、神経心理学的検査とバイオマーカーを追加すると、一致指数は82%に上昇した。
著者らは「INTERCEPTORノモグラムは、認知症進行リスクを予測するためのツールであり、リスク評価のためのスクリーニングや革新的な治療法におけるリスク/ベネフィット比の評価など、公衆衛生戦略を支援するものである」としている。
(鷹野 敦夫)